暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第95話:迫るリミットと出撃の時
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 米軍艦隊第二陣の到来。

 それは颯人達二課だけでなく、ウェル博士達の知る所にもなった。

 米軍艦隊第一陣は先の戦闘で大打撃を受けており、透の奮闘による生き残りたちは既に撤退している。
 その彼らからノイズとジェネシスの魔法使い達の脅威は伝わっている筈なのだが、それでも尚米軍艦隊はウェル博士を、そしてジェネシスの魔法使い討伐の為にやって来たのだ。

 米軍艦隊の行動は、ウィズに言わせれば無謀もいいとこ。悪戯に戦力と人命を消費するだけの行為だと言うのが彼の結論だった。

 ウェル博士も同様の意見だった。尤も彼の場合は、新しく手に入れた力を試す良い的が来てくれたと言う認識の方が強かったが。

フロンティアのブリッジで、ジェネレータールームにあった物と大きさが違うだけで形は同じな球体の前にウェル博士が立つ。
 マリアとソーサラーを伴ってブリッジにやって来たウェル博士は、球体の前に立つと緑色の薬液の入った注射器を取り出した。

「それは?」
「LiNKERですよ」

 何故ここでとマリアとソーサラーが見ている前で、ウェル博士は左手の袖を捲る。

「聖遺物を取り込む、ネフィリムの細胞サンプルから生成したLiNKERです」

 まさかと思った時にはウェル博士は左腕にLiNKERを注入した。装者でもない彼がLiNKERなどと言う劇薬を投与して大丈夫かと、心配したソーサラーが手を伸ばしかけるが思わぬ変化が起こった。
 ウェル博士の左腕が黒く変色し、肥大化しただけでなく変形してしまい、異形としか言い様の無い腕へと変化してしまった。
 色と言い質感と言い、それはまるでネフィリムの様な腕だ。左腕だけがネフィリムになってしまったと言ってもいい。

 目の前で起こった変異にマリアとソーサラーが目を見張る中、ウェル博士は少しも慌てる事無く変異した左手で眼前の球体に触れた。

 するとそれに応えるように球体――端末が光り出した。

「ウェへへへ、早く動かしたいなぁ……ちょっとぐらい良いと思いませんか?」
「え?」
「ねぇ?」

 ウェル博士が何か操作をしたのか、目の前の石板に外の様子が映し出される。

 映るのはフロンティアに迫る米軍の増援艦隊。

 力を試すのに丁度良い実験体が、自分達からノコノコやって来た事にウェル博士は口角を吊り上げた。




 米軍の増援が迫っている事は、制御室でフロンティアに記録されているデータを調べていたナスターシャ教授も知るところとなった。
 異端技術の集積体とも言えるフロンティア――先史文明期に飛来したカストディアンの遺産ならば、尽きの落下に対抗する手段もきっとある筈と調べていたナスターシャ教授の前で、柱型の水晶に米軍艦隊の様子が映し出されたのだ。

「これは
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