因果という言葉がある。ヤってみよう、そしたらデキるぜって感じ。
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(グランバニア城:三階中庭)
ビアンカSIDE
「んで、如何言う結論に達したの?」
二階廊下を通り過ぎる人々の目を気にする事無く、ヘタレ宰相が愛人のアトリエから出てくるのを待ち、出てきた直後に中庭へと連行して第一声が今のリュカの台詞だ。
「……げ、現状維持です」
「意味が解らないな」
流石ヘタレ……全く意味が解らない。
「ですから、現状維持で世間には何も公表せず、ピクトルさんは愛人のまま俺の子を産んで育てるんです」
「マリーにもリューノにも秘密にして、墓場まで持って行くって事?」
「そうです……」
「子供が生まれても、認知もせず、子育てもせず、養育費すら払わないで秘密を維持し続けるって事?」
最低だ。
「い、いえ……養育費だけは払います。あと、宰相である権力を使い、片親家庭に援助金を支給できる様にして、生活を少しでも楽にします」
「勝手に税金使われるの困るんですけどぉ」
「リューノも片親で子育てするんですし、その……親的にも……プラスな援助金ではないですかね?」
「え、なにお前……リューノの子育ても手伝わない気だったの?」
最低のクズだ。
「て、手伝いますよ!」
「ふ〜ん……」
多分私もだが、リュカはこれ以上無いくらい白い目でヘタレクズ野郎を見ている。
「俺もピクトルさんの子育てを手伝うつもりだったんだ! だけど彼女に『私達の関係は秘密の関係なのだし、コレまで通り秘密でいましょう』って言われて……その……何も言えなくなって……その……」
うん、最低のヘタレクズ思考だ。
「一応聞くけど、生まれた子供には父親の事を知らせるの?」
「え? か、考えてませんでした……」
最低のヘタレクズ馬鹿だ。
「ピクトルさんと相談しようと思います。 ……っていうか、もう俺達の問題なんですから、干渉しないでください。こ、困ったら助けて欲しいですけど……」
「身勝手だなぁ」
「い、良いじゃ無いですか! リュカさんはその道のプロなんですから」
「僕は秘密にした事無いし、何ら力にはなれないと思うけど」
確かに……全く秘密にしないのは、それはそれで凄いと思う。
「と、兎も角……俺はもう行きます。仕事が滞ってるんです」
「こういう時、仕事に逃げてもミスするだけだよ(笑)」
笑って言ってるが言葉は重い。
「て、天才ですから、そんな事はありません!」
そう言うと勢いよく立ち上がり、逃げる様に職場へと帰っていった。
まだまだ子供だ。そんなのが父親になって大丈夫かしらねぇ?
ビアンカSIDE END
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