因果という言葉がある。ヤってみよう、そしたらデキるぜって感じ。
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のアトリエに帰る途中、あきらかに動揺している平宰相がピクちゃんのアトリエに入っていった。
何だあの野郎……ピクちゃんにセクハラでもするつもりか?
許せん。
ピクちゃんみたいに気の弱い娘相手に、権力を笠に着てエロい事をしようなんて……
私は現場を押さえるべく、ピクちゃんのアトリへの扉に右耳を付けて、中の様子を探る。
聞こえない。
この城は何所も重厚な造りをしていて、相当大声で話さない限り中の音は聞きにくくなっている。
もう少し安普請でも良い様な気がする。
そうだ、少しだけ扉を開ければ良いんだわ!
ホントちょっとだけ開ければ、中の声が聞こえるはず。
私は音が出ない様に、ゆっくりとドアノブを回し扉と壁に隙間を作ろうとした……その時!
「やぁサビーネちゃん。何してるの?」
「ひゃ、ひゃいぃぃ!」
突然後ろから肩を叩かれ話しかけられた。
変な声を出してしまったが、慌てて後ろに振り返ると、そこには優しい表情のイケメン……陛下が笑顔で佇んでいた。
しかも更に後ろには王妃陛下も優しい笑顔で佇んでいる。
「暇そうだね。だったらお菓子を持ってきたし、お話でもしようよ」
「紅茶も持って来たわよ」
如何言い訳をしようか悩む間もなく、私の手を引いてピクちゃんのアトリエから少し離れた位置で腰を下ろし、お菓子を広げる陛下……ここ廊下ですよ?
まさか両陛下のお誘いを断る訳にもいかず、ピクちゃんと平宰相の遣り取りを探るのを続けるわけにも行かず、半ば強制的に廊下に腰を下ろし、国王陛下のお話を聞く事になった。
何やら政治的な話をされると思ってたのだが……
「むか〜し、むかし……」
と、奇妙な昔話を始める国王陛下。
だが内容は如何にも理解不能な話だ。
桃から生まれた男の子が鬼退治をすると言う奇抜な話。
桃から生まれるというのも理解不能だが、お供に『犬』『猿』『雉』なのも理解出来なかった。あと『きびだんご』って何?
そして次の話が、苛められてた亀を助けたが、最終的に不幸になる話だった。
息継ぎもせず海の底に潜れる主人公に理解不能だったし、帰り際に『絶対に開けるな』と手渡される土産に理解出来ない。開けちゃダメなら渡す意味は?
更に国王陛下の話は続き、雪の日に数体並んだ石像に笠を被せるジジイの話だ。
途中まで聞いては居たのだが、流石に我慢の限界が来て「すみません陛下、出来れば描き上げたい絵がありますので、お話はこの辺で……」と言い訳し自分のアトリエに逃げ込んだ。
逃げ込む際「また話を聞きたくなったら部屋から出ておいで。まだいっぱいお話はあるから」と言われ、アトリエから出る事が出来なくなった。
一体何がしたいのだろうか?
エウカリスSIDE END
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