ブシドー!
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左目を赤く光らせながら言った。
「私はこの体のサーヴァントなんだ。サーヴァントがマスターの願いを叶えるのは当然だろう?」
「サーヴァント?」
紗夜は日菜の首を握る右手を見せつける。そこに刻まれた令呪は、以前見た時とは、その形状を変えていた。
「令呪が……違う……!?」
「これなら、私がマスターの願いを叶えるのもおかしくないだろう?」
「ふざ……けるな!」
『コネクト プリーズ』
ハルトは即、空間湾曲の指輪を使う。取り出したウィザーソードガンを振りかぶると同時に、銀の弾丸の引き金を___
「撃てるのかい? 君に」
「___!」
「分かっているよね? この体は、氷川紗夜のもの。なあ?」
「……ッ!」
「なら、こちらの願いを叶える光景を、黙ってみていてもらおうか…… やめて……」
トレギアとは異なる、紗夜の声が聞こえてくる。まだ正常な色の目である右目が、うるううると左目に訴えている。
「安心したまえ。君がやった形跡はどこにも残らない。妹だけが、この世界から消える。君の全てのコンプレックスは解消される。せっかくだから、君自身の手で妹を葬らせてあげよう。 やめて……!」
二つの声が、紗夜の口から発せられる。
「やめろ! トレギア!」
ハルトは紗夜の手を叩き、日菜を解放した。そのまま日菜を背後に回し、
「ごめん紗夜さん!」
掌底で紗夜を突き飛ばす。
「日菜ちゃん! 大丈夫?」
「ゲホッゲホッ……お姉ちゃん……?」
信じられないといった目で、紗夜を見上げる日菜。
「どうしたの……? お姉ちゃん……?」
「日菜……私は……ああああああああっ!」
紗夜の声が、悲鳴に塗り潰される。頭を壁にぶつけ、彼女の額から血が流れる。
すると、紗夜の体からぐったりと力が抜けた。見て分かるほどの脱力をした後、その赤い両目で、にやりと笑みを浮かべた。
それは、もはや紗夜ではない。その証拠と言わんばかりに、彼女の右手には群青色のそれが握られていた。
「トレギア……!」
「よき旅の終わり、そして……始まり」
仕込まれているスイッチにより展開する青いアイテム。それは、ベネチアンマスクのような形となり、紗夜の体に被さる。
そして。
「お姉ちゃん……!」
「な、何ですかあれは……!?」
非日常を目撃する、日菜とイヴ。
やがて紗夜の姿は、サーヴァント、フェイカー。真名ウルトラマントレギアの姿となった。
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