ブシドー!
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
巻き込まれているんじゃ……!?」
「それは……」
聖杯戦争に巻き込まれているから、など説明出来たらどれだけ気楽だっただろう。
日菜とイヴが巻き込まれる、ハルトたちマスターを誘き出す餌にされる、真実を知った彼女たちがどう行動するか。その他、あらゆる危険性に晒されるリスクがある。
話せない。
「それは……」
「ハルト君!」
日菜がさらに言及しようとしたとき、その動きが止まった。
口をあんぐりと開けたまま、ハルトの背後へ言った。
「お姉ちゃん……?」
「え……!」
その言葉に、ハルトは振り向く。
そこには確かに、紗夜の姿があった。
「紗夜さん……いや……」
ハルトが警戒の表情を見せる。
体を左手で支えながら、紗夜は足を引きずるように日菜へ近づいてくる。
「日菜……助けて……」
「お姉ちゃん!?」
今の紗夜は、見るからに痛々しかった。全身が傷だらけ、長い髪も荒れ放題。ハルトも思わず庇護欲を掻き立てられるところだった。
だが。
「トレギア……ッ!」
ハルトには、なぜかその気配が感じられた。
だが、日菜がそんなことを気にするはずもない。
「お姉ちゃん!」
「日菜ちゃん! 行っちゃだめだ!」
だが、もう遅い。すでにハルトの手の届かなくなってしまった日菜は、紗夜に抱き着いた。
「よかったよお姉ちゃん! 晶ちゃんがちょっとおかしくなっちゃって! あたしもどうしたらいいか分からなくなっちゃって……」
「日菜ちゃん! 紗夜さんから離れて!」
だが、ハルトの発言は遅かった。
紗夜の腕が、迷いなく日菜に伸びる。
それは、即座に日菜の首を掴み上げた。
「お姉……ちゃん……?」
その時、ハルトと日菜は気付いた。
前髪に隠れた紗夜の左目が赤く光っている。
「な、何ですか!? 何がどうなっているんですか……!?」
イヴが、手を口にあてながら怯えている。
「武士道ちゃん、逃げて!」
イヴの名前で呼ぶことが何となく憚られた。
だが、武士を志す彼女が、オーラを纏う同年代の少女相手に臆するわけがない。
「日菜ちゃんを、離して下さい!」
「危ない!」
『ディフェンド プリーズ』
ハルトは慌てて指輪を使う。
同時に、紗夜の左手から黒い雷が発せられた。雷撃は、イヴに届く寸前で魔法陣の壁に防がれるが、衝撃までは防げず、そのままイヴを弾き飛ばしてしまう。
「武士道ちゃん!」
ハルトが叫ぶ。だが、当たり所が悪かったのか、イヴは気絶したまま動かなくなっていた。
「やめろトレギア! その子は関係ないだろ!」
「おや? 何を言っているのかな?」
紗夜は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ