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Fate/WizarDragonknight
ブシドー!
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巻き込まれているんじゃ……!?」
「それは……」

 聖杯戦争に巻き込まれているから、など説明出来たらどれだけ気楽だっただろう。
 日菜とイヴが巻き込まれる、ハルトたちマスターを誘き出す餌にされる、真実を知った彼女たちがどう行動するか。その他、あらゆる危険性に晒されるリスクがある。
 話せない。

「それは……」
「ハルト君!」

 日菜がさらに言及しようとしたとき、その動きが止まった。
 口をあんぐりと開けたまま、ハルトの背後へ言った。

「お姉ちゃん……?」
「え……!」

 その言葉に、ハルトは振り向く。
 そこには確かに、紗夜の姿があった。

「紗夜さん……いや……」

 ハルトが警戒の表情を見せる。
 体を左手で支えながら、紗夜は足を引きずるように日菜へ近づいてくる。

「日菜……助けて……」
「お姉ちゃん!?」

 今の紗夜は、見るからに痛々しかった。全身が傷だらけ、長い髪も荒れ放題。ハルトも思わず庇護欲を掻き立てられるところだった。
 だが。

「トレギア……ッ!」

 ハルトには、なぜかその気配が感じられた。
 だが、日菜がそんなことを気にするはずもない。

「お姉ちゃん!」
「日菜ちゃん! 行っちゃだめだ!」

 だが、もう遅い。すでにハルトの手の届かなくなってしまった日菜は、紗夜に抱き着いた。

「よかったよお姉ちゃん! 晶ちゃんがちょっとおかしくなっちゃって! あたしもどうしたらいいか分からなくなっちゃって……」
「日菜ちゃん! 紗夜さんから離れて!」

 だが、ハルトの発言は遅かった。
 紗夜の腕が、迷いなく日菜に伸びる。
 それは、即座に日菜の首を掴み上げた。

「お姉……ちゃん……?」

 その時、ハルトと日菜は気付いた。
 前髪に隠れた紗夜の左目が赤く光っている。

「な、何ですか!? 何がどうなっているんですか……!?」

 イヴが、手を口にあてながら怯えている。

「武士道ちゃん、逃げて!」

 イヴの名前で呼ぶことが何となく憚られた。
 だが、武士を志す彼女が、オーラを纏う同年代の少女相手に臆するわけがない。

「日菜ちゃんを、離して下さい!」
「危ない!」
『ディフェンド プリーズ』

 ハルトは慌てて指輪を使う。
 同時に、紗夜の左手から黒い雷が発せられた。雷撃は、イヴに届く寸前で魔法陣の壁に防がれるが、衝撃までは防げず、そのままイヴを弾き飛ばしてしまう。

「武士道ちゃん!」

 ハルトが叫ぶ。だが、当たり所が悪かったのか、イヴは気絶したまま動かなくなっていた。

「やめろトレギア! その子は関係ないだろ!」
「おや? 何を言っているのかな?」

 紗夜(トレギア)
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