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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
逢瀬-きゅうそく-
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を引っ張って帰ろうとする。

「どうして?同じセイバー同士仲良くしましょうよ?」
「あんたみたいなセイバーがいてたまるか!!」

遠ざかる俺達をあの鬼は追いかけようとしない。
一応、境界は超えてはならないという絶対のルールがあるのだろう。
絶妙な均衡で保たれているだろうそれはほんのふとした些細な事で崩れる。
ここで血を流しても誰の得にもならないし、彼女は線を越えることはしようとしなかった。

「あの向こうは魔境…なんだろうな。」
「ええ、近づかない方が身のためかも。」

やめておこう。
あそこに入ったとして帰ってこられる自信がない。
戦いには積極的に参加したがる武蔵も今回ばかりはあまり興味を示さなかった。

「武蔵がそこまで言うのも珍しいな。普段なら嬉々として刀を抜くだろ。」
「こんなとこで私闘なんかやったら、折角タダにしてくれた頼光さんに迷惑かかるでしょ?まぁウズウズはしてますけど!」

と、武蔵にしては頭を使った考えだった。
ここにはここのルールというものがある。
それを個人的な理由で無視し、彼らの関係を悪くさせてしまうのは非常に良くない。
確かに宿泊費食費と全部無料なんだ。
ここで迷惑かけてパーになったら大変なことになる。
あと、
セイバーなのか…あの女。





?

時間は過ぎ、草木も眠る丑三つ時。

「ついにこの時が来たね。道満。」
「ええ。彼らの信用を得るのは非常に時間がかかりました。しかしそうした甲斐があったと言いましょうか。」

人通りも全く無くなり、あれだけ観光客で溢れていた大通りには見張りと思しき警備隊が数人。
とはいっても武装も最低限。何故なら彼らは、蘆屋道満のおかげで強力な妖怪は入ってこないと、
そう、思い込んでいるからだ。

「ほら見て!欠伸してる。」
「退屈のようで。しかし今に忙しくなりますぞ。京都守護隊の方々。」

見張りのための物見やぐら。
本来そこにいるはずのものは血を流し、寄りかかっていて動かない。
今いるのは二つの人影。

「当たり前の平和を貪る市民よ。これより京の都は…地獄と化す…!!」

印を結び、彼は天高く御札を投げる。
少しすると何かヒビの入ったような音が響き、それからガラスの割れるような音。
その音に守護代達はなんの音だと慌てふためくも、音の正体はその後嫌でもわかった。

「妖だー!!」
「なんだって!?道満様の結界がある限り妖は入って来れないはず!!」
「その結界がたった今破られたんだ!!急げ!全力でここをまも…ぎゃああああああああ!!!!!」

慌てて駆けつけてきた守護隊の一人が、侵入してきた土蜘蛛の鎌に貫かれ即死する。

「なんだこれ…!!」

隣にいたもう1人は腰を抜かし
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