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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
逢瀬-きゅうそく-
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することとなったとか。

とはいっても全く解決はしておらず、言ってしまえば冷戦状態。
いつ崩れてもおかしくなさそうな程の絶妙な均衡を保ちながら、こうして今までやってきているとだと言う。

「鬼の領域…何がある?」
「何があるって…特に変わらないよ。ただ、鬼に気に入られた余所モンは帰って来れなくなるって話だ。」
「…。」

確かに、向こうからはただならぬ気配を感じる。
どのような化け物がいるかという好奇心が湧いてくるが、やめておく。
踵を返して来た道を戻ろう。
そう、思った時だ。

「入らないの?」
「…!!」

畏怖、とでも言えばいいだろうか。
身体中に重いものが乗っかったようなプレッシャー。
振り向けばそこには、身の丈2メートルはゆうに超え、人外じみた肌の色をした明らかに人間ではない女がいた。

「ひ、ひぃい!!!」

その姿を見るなり、男は顔を真っ青にして慌てて逃げ出す。

「見ただけで逃げるなんて…もう、お姉さん仲良くしたいだけなのに…。」
「武蔵…。」
「さっきまで気配なんて感じなかったのに…こいつ、何者…?」

縦セーターに身を包んではいるが人外だと思わせる肌の色。
その頭から生えた四本の角。
そしてその図体のデカさ。
遠くからでも充分に分かるほどだ。
そんな奴がいて、どうして俺も武蔵も気付けなかった?

「あなた達、旅の人でしょ?見ない顔だもの。」

そういって彼女は武蔵を見下ろし、俺を見下ろす。

「ふぅん…少し変わってるのね。」

思わず身構える。
頼光の時に感じたプレッシャーとはまた違う重圧感。
彼女から放たれる何かは恐怖を超え、最早神々しくも感じられる。
おそらくサーヴァント、そして鬼だろう。だが俺はこんなサーヴァント知らない。

「『人の領域』から妙な気配がするからなんだろうって思って来てみたら…へぇ、思ったより面白そうね。」
「どういう意味だ。」

直感でわかる。
こいつは危ない。
まるで正体の分からないサーヴァントではあるが危険なことは確かだ。
思わず刀に手をかけてしまう。

「ねぇ、こっちに来ない?『人の領域(そっち)』は堅苦しくて息が詰まるでしょ?」
「向こうは向こうで息苦しくなりそうだな。妖の空気は馴染みづらそうだ。」
「あら、そんな軽口叩けるのね。お姉さんそんな人はじめて。」

にんまりと笑う口元には鋭い牙が覗く。
隣にふと目をやれば、武蔵も刀に手をかけっぱなしだ。

「ますます興味が湧いた。ねぇ、お姉さんの家に来ない?」
「悪いが遠慮しておく。」
「えぇそうですとも。あなたみたいな怪しい人についていったらロクな事にならないでしょうしね!ほら大和くん!行きましょ!! 」

そういい、武蔵は俺の手
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