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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
逢瀬-きゅうそく-
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和くんは、変わった。
岡田以蔵の襲撃から、彼は強く変わりたいと願うようになった。
いや、大和くんは、変わり過ぎた。

戦いに関してはもう見違えるほどに強くなった。
というのも、あれだけ悩んでいた"人を殺す"ことに関しての迷いが吹っ切れたことが一番の原因だろう。

どうして強くなるのか。
過去に私は、大和くんにそう問い掛けた事がある。
私に相応しいマスターになるため。そして、
私を守るためだと、彼はそう言った。

逆だ。
サーヴァントはマスターを守る者。
それが逆にマスターに守られるなんて恥以外の何物でもない。
でも彼は言った。

主従とかそういったものじゃない。俺達は背中を預け合える。そんな関係性になりたいと。

そう言い、彼はひたすら修行に打ち込む。
どれだけボロボロになっても、まだ稽古は終わっていないと言って挑みに来るし、
やめようといってもやめない。体を壊したら元も子もないと言ったら、頑丈に出来てるからそんな心配はいらない。それよりもここで自分に妥協して強くなれなかった方が嫌だと言った。

優柔不断で気弱そうに見えて、彼は元からワガママで我を通さないと気が済まない性分だった。
まぁ出会った当初は見た目で判断してたから、そこには少し驚いたけど。

そうして大和くんは変わった。
変わったのはいいが

「…。」
「どうした武蔵。」

表情が死んだ。
泣いたり笑ったり怒ったり。変わった大和くんはあまり感情を表に出さなくなった。
ナメられたらだめだと言って、話し方も昔よりドライになった。
そして最初は恥ずかしがってた呼び捨ても気がつけば普通に言ってるし。なにそれ。

「少しくらいは…笑ってみたら?」
「…こうか。」

ぎこちない笑顔を向けられた。

「なんか…変。」
「だめか。」

そうして神社を後にし、しばらく適当にぶらついていると、


「そこのカップルの方、そっちには行かない方がいいよ。」
「…?」
「えっ、あ!?私達!?」

見知らぬおじさんに呼び止められた。

「何かあるのか?」
「見かけない顔だ。もしかして旅の方だね?警告しとくよ。 そっちは"鬼"の管理エリアだ。生きて帰って来れなくなっても知らないよ。」
「…鬼?」

実はこの京都、大きくわけて2つのエリアがある。
一つは俺達がやってきた場所、京都守護隊のいる通常『人の領域』
もう1つがここから先のエリア、鬼が統括している『鬼の領域』だという。

妖、とはいっても結界の外にいるようなものではなく、茨木童子や酒呑童子といったサーヴァント達の事だ。

彼らも元はこの京を守るため戦った者達ではあるが、守護隊の者達とはそりが合わず、こうして半分ずつ分け合うことでとりあえず問題を解決
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