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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
逢瀬-きゅうそく-
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京都。
豊富な観光スポットに歴史の奥ゆかしさを感じられる場所。
世界崩壊の際、1度は危機に瀕したけどそれと同時にやって来たサーヴァントの尽力により、こうして多くの歴史的建造物は守られ、かつての姿を取り戻しつつある。
外道…じゃなかった。蘆屋道満による大結界により街の平和は守られ、いつも通りの日々を過ごす者達。
検閲も厳しいしこの都には胡散臭い宗教団体も葛城財団も入ることは許されない。
そんなわけで張り詰めた空気はどこかへ置いておくとして、久しぶりにゆったりのんびり出来るのだからここは楽しまなければ損だ。
というわけで
「デートとか…してみたりする?」
我ながら大胆な発言だと思った。
言い切った後、頭の中がヤカンでも湧かせそうなくらい熱くなった。
そして大和くんからの答えは…。
「さっきも言っただろ。俺達は遊びで来たわけじゃないんだ。」
「…。」
「でも、たまにはいいかもしれないな。」
「…!」
街ゆく人々を眺めながら、彼はそう答えた。
「え…いいの?」
「考え直したが、張り詰めすぎはよくないと思ってな。」
「あ…どうも…。」
か細い声は喧騒にまぎれ消されそうになる。
どうやら、思い切って言ってみた甲斐はあったみたいだ。
「じゃあどこに行く?ここは王道の清水寺か?」
「んー…どうしましょっか…。」
と、歩き出す大和くん。
行くあてもなくフラフラするだけでも良いだろうと言い、彼はどんどん先へと行ってしまう。
一瞬、手を繋ごうと伸ばしたが、やはり慌てて引っ込める
。
こうもたくさんの人がいる場所でそう…あたかも恋人みたいなことをするのはどうにも気恥ずかしくて堪らなかったからだ。
?
そうしてやって来たのは清水寺。
荘厳な門を潜り、仁王像の間を通ってやってきた。
境内には貴重な文化財があったり、恋愛成就や学業成就、延命長寿が叶うとされるまじないのパワースポットがあったりして多くの観光客が訪れる
それはもう、世界崩壊前と変わらないくらいの勢いだ。
そして神秘で満ちたこの世界、やはりこういった場所でもそれは遺憾無く発揮されており、最早迷信とかそう言ったものでなく本当にそういった効果もあったとかなんとか。
「恋占いの石…だそうだ。」
「えっ」
そして目に入ったのはそこそこ大きな石、通称『恋占いの石』
石の反対側に立ち、目をつぶって石まで辿りつければ恋が成就するというアレだ。
「やってみるか?」
「ど、どうして!?」
「やりたそうな顔、してる。」
まぁ別にやりたくないわけではないですし?
いいでしょう。大和くんがそこまで言うのなら、やってあげなくも無いですしぃ?
「じゃあ…いざ!」
「ああ。」
目を閉じていざ挑戦。
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