暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第十八話 ゴールデンウィークを前にしてその七

[8]前話 [2]次話
「あんな仕打ちはね」
「やっていいことと悪いことがあるでしょ」
「あの兎がやったことは完全に悪いことね」
「あれが正しいって思えたら」
 それこそというのだ。
「おかしいわよ」
「そうよね」
「あの兎に自分が似てるって思ったらすぐに行いあらためてね」
「そうしないと復讐鬼になるわね」
「嫌いな相手がいても」
「接し方が大事で」
 それでというのだ。
「あそこまでは駄目よ」
「復讐鬼になったら」
「ああして騙して後ろから攻撃して延々と陰湿で残虐な攻撃したら」
 それこそというのだ。
「最後は自分に返って来るわよ」
「因果応報ね」
「因果応報は絶対だから」
「悪いことをすれば自分に返って来る」
「これはね」
 まさにというのだ。
「絶対のことよね」
「この世の摂理よ」
「そこまでのものね」
「だからね」
「あの兎にしても」
 どうかとだ、愛は言った。
「若し狸に家族や親戚やお友達がいたらね」
「家族怨むわよね」
「惨殺だからね」
 文字通りのそれでというのだ。
「だからね」
「怨むわよね」
「そうなるでしょ」
「そうよね」
「だからあの兎もそうなるかも知れないし」
「あの兎みたいにはならないことね」
「私も気をつけてるから」
 愛自身もというのだ。
「だから咲ちゃんもそうしてね」
「ええ、しかしあの兎確かにね」
「どうかしてるでしょ」
「憎しみの感情強過ぎるわね」
「そこがおかしいでしょ」
「幾ら何でもね」
「狸より怖いわよ」
 それこそというのだ。
「あそこまでいったら」
「だからおかしいからね」
「私もああしないことね」
「そしてああならない」
「気をつけていくことね」
「人間憎しみに心を支配されたら」 
 そうなってしまえばというのだ。
「復讐鬼になって」
「ああなるのね」
「そうなっても終わりだからね」
「そうね、最初に話したあまりにも図々しい人もだけれど」
「こっちも問題よ」
「わかったわ、謙虚でしかも心穏やか」
「それが一番よ、憎んでもね」
 何かをそうしてもというのだ。
「何にもならないわよ」
「本当にそうね」
「憎しみで生み出されるものはマイナスのものばかりよ」
 愛は咲に語った。
それこそね」
「そうよね」
「そう、それで先に進んでも」
 そうしてもというのだ。
「あるものはね」
「かちやち山ね」
「それしかないわ」
「本当に酷いことにしかならないのね」
「そうなの。けれど咲ちゃんは今はそうした人も周りにいないし」
「大丈夫かしら」
「これからはわからないけれど」
 それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ