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麗しのヴァンパイア
第三百七十六話

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              第三百七十六話  家に帰ると姉は
 赤音は家に帰るともう姉の葵は家に帰っていた、彼女はこの日は大学のサークルもアルバイトもなくてだ。
 大学の講義が終わると家に帰っていた、その姉を見て赤音は言った。
「すっきりしてない?」
「朝お風呂に入ったからね」 
 葵は実際に明るい顔で妹に応えた。
「もうあれでね」
「お酒抜けたの」
「完全にね」
 そうなったというのだ。
「それでお昼食べて午後の講義出て」
「帰ったの」
「きょうは六時近くまであったけれど」
 大学の講義がというのだ。
「それも終わってね」
「帰ってきたの」
「そうなの。赤音も授業終わったのね」
「塾のそれもね」
 姉にあっさりとした口調で答えた。
「今ね」
「私の方が先だったのね」
「そうね、じゃあね」
「じゃあ?」
「晩ご飯食べましょう」 
 葵は赤音に笑顔で話した。
「そうしましょう」
「それじゃあね。けれどお姉ちゃん何か」
 赤音は今の姉の顔を見て言った。
「朝とは別人ね」
「お酒抜けたからよ」 
 それでという返事だった。
「だからよ」
「それでなのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「すっきりしてるのよ」
「そうなのね」
「二日酔いでも」
 それがどれだけ酷いものでもというのだ。
「お酒を抜いたらね」
「すっきりするのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「この通りね」
「いつも通りなのね」
「お酒は抜いたらいいのよ」
「そうなのね」
「赤音もお酒飲んだらわかるわ」
 その時にというのだ、こう話してだった。
 葵は赤音と共に夕食を食べた、その時の姉は朝そして昨夜の彼女とは全くの別人であった。


第三百七十六話   完


                  2021・6・9
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