第一章
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暗黒の世界から助け出され
その話を聞いてだ、羽柴好美は顔を曇らせた。穏やかな顔立ちで垂れ目が印象的な小柄な女の子で黒髪をロングにしている。
「そんなことがあるのね」
「そうよ」
母の愛衣は娘に話した、和風の顔立ちで優しい表情だ。黒髪を肩の長さで斬り揃え一五二程の背で胸はかなりある。
「ペットショップで売られている犬や猫にはね」
「そんな事情があるのね」
「そうなの」
中学一年の娘に話した。
「実はね」
「ペットショップの裏側で檻に入れられて」
「そこからずっと出されなくてよ」
「ご飯もお水もあまりあげられなくて」
「それで毛や爪を切ることもね」
「されてなくて」
「それでよ」
そのうえでというのだ。
「ただ子供を産んでね」
「その道具にされているのね」
「そうよ、それで売れ残った子は」
「保健所に送られるか」
「引き取り屋っていう業者がいてね」
そうしてというのだ。
「その人達に売られて」
「そうして」
「山奥の小屋でね」
人目につかないそうした場所でというのだ。
「死ぬだけよ」
「命なのに」
「命でも商品として思われていないから」
だからだというのだ。
「そんな扱いよ、それでね」
「私達今からボランティアで保護犬や保護猫を預かっている施設に行くけれど」
「そこにはそうした子が一杯いるの」
「そうなのね」
「だからね」
それでとだ、母は娘に話した。
「これから私達そこにいる子の誰かを引き取って家族にするけれど」
「そうした酷いペットショップもあって」
「酷い人もいてね」
「そうしたことがある」
「そのことを頭に入れて」
そしてというのだ。
「家族を迎えましょう」
「わかったわ」
「じゃあ行こう」
父の大二郎も言ってきた、小さな黒目がちの目で黒髪を前髪が長いスポーツ刈りにしている、背は一六五程で小柄だ。
「これから」
「わかったわ」
好美は父にも頷いて応えた、そうしてだった。
一家でそのボランティアの施設に行った、すると。
「ワンワン」
「ニャンニャン」
多くの犬や猫が元気よく動き回っていた、どの子もとても嬉しそうである。母はその彼等を見つつここでも娘に話した。
「この子達がね」
「ペットショップで酷い目に遭っていたの」
「そうだったのよ」
「ずっと檻に入れられていて」
「商品になる子供達を産むだけの道具でね」
「お散歩も連れて行ってもらえなくて」
「それでね」
檻に入れられたままでというのだ。
「毛も爪もよ」
「切ってもらえないで」
「ご飯もお水も少しで」
それでというのだ。
「何かあると殴られていたのよ」
「本当に酷かったのね」
「この子達がいたペットショップの店
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