第二章
[8]前話
「ふわりって本当に泳ぐの好きだな」
「言った通りだ」
父が答えた。
「トイプードルはそうした犬だ」
「元々水鳥を捕まえる犬でか」
「水の中に入って獲物を獲って来るのが仕事だったんだ」
「そうした犬でだな」
「水に入るのが仕事でな」
それでというのだ。
「水に抵抗がなくてな」
「むしろ好きなんだな」
「水の中に入るのがな」
それがというのだ。
「好きでな、それで」
「泳ぐのも好きでか」
「そして泳ぎ自体もな」
「得意なんだな」
「あの通りな」
見ればふわりは上手に泳いでいる、一家は泳ぎはこれといって教えていないし前の飼い主もそうだたが上手に犬かきでそうしている。
その彼女を見てそうして洋介は言った。
「泳ぐのがか」
「得意なんだよ」
「そうなんだな」
「それでふわりはその中でもな」
水に抵抗がなく泳ぎ上手なプードルの中でもというのだ。
「特にな」
「泳ぎが得意か」
「好きでな」
「そうなんだな」
「だからな」
それでというのだ。
「今みたいに暑い時は時々でもな」
「泳がせてやるといいんだな」
「ふわりの運動にもなるしな」
彼女が好きなだけでなくだ。
「それでだよ」
「泳がせるんだな」
「そうするといいんだよ」
こう言ってだった、父はふわりを見ながら息子に話した。そして。
ふわりが泳ぎに満足してプールから出てそのうえで一家の前に出ると彼がバスタオルを出してその身体を拭いた。
そのうえで彼女を連れて家に帰ったが。
「ふわり眠いのね」
「クゥン・・・・・・」
ふわりは家に帰るとすぐにケージの中に入った、そこから母にクッションの上で寝そべりつつ鳴いて応えて。
そのまま寝た、母は眠りに入った彼女を見て言った。
「あれだけ泳いだからね」
「疲れてるんだな」
「ええ、だからね」
息子に笑顔で話した。
「よく寝れそうね」
「そうだよな」
「こうして夏は時々でもね」
「泳がせるといいよな」
洋介は母の言葉に笑顔で頷いた、そうして彼もふわりを見た。よく泳いだ彼女はとても気持ちよさそうに寝ていた。
泳ぐことは本能的に 完
2021・8・27
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