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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第109話『隠された力』
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展開は悪くなる一方である。


「……っ」


情けない。これでは結局、結月の力に頼り切りではないか。こんなに疲れ切っているのに、まだ無茶をさせるというのか。それでも彼氏か。それでも男か。
たまには自分の力でこの状況を打破してみろよ。何のためにここに立ってるんだ。


──勝つためだろ。



その瞬間、一筋の風が晴登の頬を撫でる。



「……これだ」


ようやく閃いた。魔力の少ない中、この火事場を切り抜ける手段を。この戦闘(バトル)に勝つための方法を。


「ごめん結月、頼みたいことがある」

「何でも言って、ハルト」

「──」


結局、自分だけの力では足りなかった。だから彼女の力を借りることにする。
時間にして1秒、たったの一言、結月に作戦を告げた。それを聞いて、彼女はくすりと笑う。


「わかった」


何一つ、疑いを見せなかった。躊躇いもしなかった。考えもしなかった。魔力がほとんど残っておらず、疲れて苦しいはずなのに、ただ晴登の言葉を信じて、最速でそれを遂行する。


「そらよ──おぉぉ!?」

「地面が?!」


斧が地面に触れる寸前、結月が生み出した氷柱によって【タイタン】の2人は空へと投げ出された。

──爆発を防げないのであれば、最初から使わせなければ良い。


「行くよ!」

「うん!」


窮地を脱した晴登と結月は、間髪入れずに追撃に入る。この機を逃せばもう勝利はありえない。身体中の力を振り絞れ!


「攻撃がバリアで防がれるなら、もっと近づけばいい。ゼロ距離で喰らわせる!」


晴登は"疾風の加護"を再発動。結月と共に、目に見えない速度で距離を詰める。


「こ、この……!」


轟は完全に体勢を崩していたが、建宮は何とかバリアの生成を間に合わせる。だが、関係ない。
残された全ての魔力を腕に込める。もう後先は考えない。着地なんて知るか。この一撃に賭ける。

この時にはもう、結月の"鬼化"は解けていた。最後の力で、晴登をここまで導いてくれたのだ。なんと健気なことか。彼女は自分の信じる恋人に全てを託したのだ。であれば、それに応えなければ男が廃るというもの。

バリアが何だ。この想いの力は誰にも止めさせない──!


「ぶっ飛べ!! "天翔波(てんしょうは)"!!」


「「ぐわぁぁぁっ!!!」」


思い切り振りかぶられた晴登の手がバリアに触れる。その瞬間、巻き起こった暴風によって、【タイタン】の2人は弾かれたように地面へと吹き飛ばされ、墜落した。


──フィールド外の地面へと。



『【タイタン】、両者ともリングアウト!! よって勝者、【日城中魔術
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