第109話『隠された力』
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ため、余計に翻弄されてしまうのだ。
動いてる側としては、まるで忍者になったかのような気分で気持ちがいい。
「"氷槍一閃"ッ!」
「"鎌鼬"!」
「……っ! ふっ!」
そして時折攻撃を挟み、動きを読まれないように集中を乱す。さすがに相手も手練とあって簡単には攻撃は通らないが、不意に飛んでくる攻撃を防いでいる内に疲れてくるに違いない。そこが狙い目だ。
「「そらぁっ!!」」
「「っ!!」」
ここで一度背後に回り込み、それで彼らの注意が後ろに向いた瞬間、正面から瞬時に接近して一撃をかました。
晴登の"烈風拳"と鬼化結月の拳だ。簡単には受け切れず、【タイタン】の2人は後ろへと大きく吹き飛ばされる。
そのままダウンしてくれれば御の字だが、本当の目的は──
「さ、せ、る、かぁぁぁ!!!」
『おぉっと! 恐らく、不意打ちによるリングアウト目当ての攻撃でしょうか! しかし轟選手は斧をフィールドに突き立て、ブレーキをかけることでギリギリ阻止しました! なんという判断力!』
そう、晴登たちの狙いは最初から"リングアウト"だった。というのも、轟のガードと建宮の爆風の壁は易々と突破できそうにない。大技も防がれたし、結果ダウンを狙うのは現実的ではなかった。
そうなると、残される勝ち筋は"押し出し"。素早い動きで翻弄しながら、徐々にフィールドの端へと追い詰める。惜しくもリングアウトにはならなかったが、彼らはフィールドの端まで後退していた。
──ここで仕留める。
「結月、地面を凍らせろ!」
「わかった!」
「……やられた!」
「クソっ、斧まで凍りやがった!」
建宮と轟が避けるよりも早く、結月の氷結が彼らの足元を捕らえる。ついでに地面に突き刺さった斧も、凍らせて地面と一体化させた。これでもう逃げ場はないし、防御手段も一つ減っている。
「決めるぞ! "鎌鼬"!!」
「うん! "激浪霜"ッ!!」
何らかの仕掛けがあると見られる斧を封印した以上、残った爆風のみではこの大技を防げないだろう。耐えようとしても、踏ん張るスペースも残されちゃいない。これで詰みだ。
『激しい攻撃が【タイタン】を襲う!! これは決着がついたか?!』
そういうのはフラグになるからやめて欲しいのだが、正直晴登自身も勝利を確信していた。
おびただしい量の氷槍をぶち込む結月の必殺技には驚かされたが、まともにこれを喰らって平気なはずがない。
衝撃波で煙が巻き起こって視界は悪いが、この煙が晴れれば結果は自ずと──
「は、嘘だろ……?」
立っていた。【タイタン】の2人は、ダウンすることもリングアウトすることも
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