暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
艦娘と提督とスイーツと・77
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いか?」

「う〜ん、目立つとは思うけど……なんかそれ、自分のプライベートを売り物にしてるみたいでヤだなぁ」

「別にプライベートを曝せとは言わんさ。動画とかでのリアクションを、ぶりっこじゃなくて素のリアクションにしろって話だ」

「でもそれ、本当にウケるの?」

「まぁ、俺の見立てでは五分五分ってトコだな。だが、ナチュラルなリアクションの方が俺としては好ましいな」

 たまにいるだろ?あからさまにキャラ作ってるアイドルとかタレントって。俺はあんまりああいうの好きじゃねぇんだよな。食レポとかの時は空気読む事も必要だろうが、明らかに演技で『美味し〜い!』とか言われても『本当にござるかぁ?』と疑いそうになる。それよりかは、素のリアクションで伝えてくれる方が解りやすくて良いと思うんだが。

「まぁ、その辺はお前の考え方次第だろ。それにお前にもメリットがある」

「メリット?」

「ファンからの贈り物に甘いお菓子が減るぞ」

「あ〜、それは助かるかも」

 那珂にも熱心なファンが居て、鎮守府宛てに差し入れというか、荷物が届くんだ。中身はほとんどが甘いお菓子で、食えない訳ではないがあまり得意ではない那珂は処理に苦労していた。一緒に遠征に出た駆逐艦とかにこっそり配っていたのは、ファンには内緒の話だ。

「だから、カミングアウト動画みたいなのを投稿して路線変更をアピールすればいいんじゃないかと思ってな」

「う〜ん、考えてみる……」

 この時はまだ踏ん切りが付かない様子だったが、後日那珂はカミングアウト動画をウチの公式チャンネルに投稿。騙されたという意見よりも『知ってた』という好意的(?)なコメントが溢れ返り、リアルに凹んでいたのは別の話だ。


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