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提督はBarにいる。
艦娘と提督とスイーツと・77
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が言ってたからな。ほぼ間違いないだろう。

「まぁ、少なからずマスターシップからの精神への影響は出るからな。それで?」

「最初の内は、ただなんとなくアイドルがしたい!って沸いてくる気持ちに引っ張られてやってたんだけど。段々ね?これは本当に私がやりたい事なのかなって、思う様になったんだぁ」




 驚いたな。第二世代型の艦娘は、第一世代型の艦娘のコピーだ。当然、趣味趣向は似通う……というより同じになる。そこに疑問を感じる者はほぼいない。だが、那珂はそんな自分の無意識に疑問を持ち、思い悩む様になっていたらしい。

「そんな時にね?深海棲艦に襲われた街に救援物資を運ぶ船を護衛する任務があったの」

 そういう依頼はちょくちょくあるんだ。表沙汰にはされていないだけで、各国の沿岸部は深海棲艦の襲撃を受けている。1つ1つは小規模といって差し支え無い規模の被害なので、ハラスメント攻撃……要するに此方の戦意を削ろうという嫌がらせの類いだろう、というのが専らの見立てだが。

「無事に到着して、ぼろぼろになった港の近くでね……見たこと無いアイドルの人達がライブをやってたの」

「多分ご当地アイドルみたいな人達だと思うんだぁ。不謹慎だ〜、とか罵倒されてもね?それでも笑顔で歌って踊ってた。1人でも元気付けられたらって願って、そんな姿を見てたら凄くキラキラして見えてさ」

「その時解ったんだぁ。『あぁ、私がやりたかったのはコレだ』って。アイドルやって、皆に笑顔と元気を届けたいんだって」

 そう言って指に付いた唐辛子の粉を舐め取る那珂。その目には、決意というかやる気のような物がみなぎっている。




「事情は解った。けどな、そりゃ本当に他の皆がみたいお前なのか?」

「どういうこと?」

 那珂が再び、せんべいの入った器に手を伸ばす。今度手に取ったせんべいの色は……黒。ゴマではなく、粗挽きの黒胡椒が表面を覆った黒胡椒せんべいだ。

「確かに、アイドルってのは可愛らしく歌って踊って笑顔をふりまく。そういう職業だ。だがな、それがあまりにも嘘臭いと逆に反発を招いたりするんだよ」

 あまりにもわざとらしいぶりっことか、アンチが多いからな。

「那珂ちゃんもそうだって言いたいワケ?」

 眉根を寄せて、バリッとせんべいを齧る那珂。ありありと不満の色が窺える。

「そこまでは言わんが、逆に素のお前の方がウケが良いと思うんだよな俺は」

「…………なんでさ?」

「いいか?那珂ってのはどこの鎮守府でも大概広報活動をやってる。しかもほとんどが同じようなぶりっこキャラでだ……それが演技なのか自然にやってるのかは判らんがな」

「それで?」

「そんな中に、素の自分を晒け出す奴がいたら、目立つと思わな
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