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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
京都-みやこ-
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はあくまでリンボ。
こちらは隣にいる少女が召喚したであろう、リンボとはまるで関係の無いただの蘆屋道満だ。

「そちらにおりますのは宮本武蔵殿…ですかな?」
「何?確かにそうですけど。」
「いえ、怖い顔をされておられましたので。もしや拙僧のことがお嫌い?ははは、ここに来たばかりの頃は皆にそういった目で見られておりましたから慣れっこですぞ!」
「見た目で判断するのはよくないよねー道満。」

と、マスターと仲良く笑う蘆屋道満。
怪しいし胡散臭いことこの上ないが、彼はたった一人でこの京都を守る結界を作った。
彼のおかげで人々は妖怪の驚異に晒されることなく暮らせていると過言ではないし。おそらく今は信用されているのだろう。

「すごかったよほんとに。道満がこうして結界を張ったら、みんな手のひら返して大絶賛だもん。道満は元からすごい陰陽師なのに。」
「おやめくだされ真誉殿。拙僧、そこまでほめちぎられると照れまする。」

と、ここに来た際の経緯を語ってくれたのは人形を片手に抱えた少女、彼女は蘆屋道満のマスター、森川 真誉という少女。

「えー、おほん!」

頼光の咳払い。
仲良く話していた2人は黙り、膝をついた。

「それでは運び屋の方々、この京都守護隊の皆様を代表し源頼光からお礼をいたします。」
「いえ、滅相もなく。」

とりあえず失礼にならないよう俺と武蔵も片膝をつき、礼をする。

「一通りの施設は無料で使えるよう私から言っておきます。ですのでこの京の都、心ゆくまでお楽しみください。」
「え!?ホント!?」
「武蔵…!」

武蔵は、無料(タダ)という言葉にものすごく弱い。
かしこまらないといけない場なのに本能丸出しでそんなこと言うもんだから肘で小突いた。

「それでは、これにて。」

礼をし、頼光は帰っていく。
さっきから感じていたサーヴァント達の気配も薄れていき、周囲にいる武装した者達の張り詰めた空気もやわらいでいった。

「…緊張したな。」
「ええ。さすがは妖殺しのプロ。あのプレッシャーは伊達じゃなかったわね。」

タダと聞いて満面の笑みをうかべたお前がどの口聞いてるんだと言ってやりたい。

「…ところで、いつまでいるんだ?」

立ち上がり、俺達も帰ろうとするがいつまでもニコニコとしながら俺と武蔵を見ている者がいる。

「いえ、お気になさらず。客人を見送るのは下働きの勤めなれば。」
「うん。そうそう。それじゃいってらっしゃーい。」

蘆屋道満とそのマスター。
2人揃って手を振り、こうして見送られる。

「…。」
「ねぇ、怪しくない?」

門を出て少し歩くと、武蔵がそう言い出した。

「何がだ?」
「何って、あの外道法師よ。」

どうやら武蔵、
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