暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
覚悟-ころす-
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
出す。
腰を抜かし立てなくなった仲間すら置いて、

「逃げたら…殺されるんだろう…?」

刀をかまえ、さっきと同じように力を込める。
迸る稲妻、紅く煌めく刀身。

「だったらその前に…俺が楽にしてやる…!!」

握りしめ、振るう。
一閃は周囲の樹木を焼き焦がし、逃げていった実働部隊も腰を抜かした実働部隊も皆殺害した。

「殺す…!殺す…!殺す…!!!」

来るなら来い、殺してやる。
武蔵を奪う?なら殺してやる。
逃げるのか?殺してやる。

「くそう!撤退じゃ!!」

実働部隊が恐れをなして逃げていったせいか、それとも兵力が少なくなったからか、以蔵は逃げようとする。

「逃がすか…!!」

逃がしてなるものか、殺してやる。

「殺す…!殺してやる!!誰だろうが殺してやる!!」
「大和くん!!」

以蔵を追おうとした。
しかし、武蔵ちゃんが目の前に立ちはだかり、俺の行く手を阻んだではないか。

「どいてくれ…殺すんだ。」
「どかない。その頼みは例えマスターの大和くんでも聞けないわ。」
「やめてくれ。じゃないと奴らはまた殺しに来る。なら殺さないと…!」
「大和くん…ごめん!」

ドン、と腹部に鈍痛が走る。
ぐらりと世界が回転し、目の前に移るのは武蔵ちゃんの足。

そして暗くなる視界。
いつしか俺は、殺さなければならないという殺意と朦朧とした意識を手放した。



?



夢、だろうか。
俺は今どこか分からない場所にいる。
一面真っ暗闇の、どこまでも続く場所。
夥しい数の死体。
腹を裂かれ、手足を飛ばされ、頭を潰された無残な死体が何十も何百も転がっている、

血にまみれた自分。そして、今まさに人を斬ったばかりだと伝えるように、持っていた刀からは血が滴っていた。

そうだ。殺した。
俺が、全部、殺した。
向こうが来るからだ。来なければ殺さなかったのに。

肉が簡単に斬れる感覚。
料理で肉を切るのとはまるで違う感覚。
雷で焼け焦げた死体の匂いが鼻にツンと来る。
皆殺した。俺が殺した。しかし、俺は悪くない。

悪くない。悪くない。
だってこれは、守るためだからだ…。







「…。」

目を覚ました。
目を開けた先に映ったのは、彼女の顔。

「俺…どうして」
「だいぶうなされてたけど…大丈夫?」
「うん…なんとか。」

微妙に頭痛がして頭を抑え、俺はゆっくりと上半身を起こした。
どうやらここは、テントの中みたいだ。

「あれから…どうなった…?」
「奴らは全滅して、岡田以蔵は逃げていったわ。気絶したマスターと一緒にね。それと…。」
「それと…?」

なにか言おうとして、武蔵ちゃんは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ