第六百二十七話 変わらないモンゴル人その二
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「そうでしょ」
「そう言われたら」
「だからね」
「別になのね」
「人のも使っても」
そうしてもというのだ。
「いいでしょ、そもそも回収したら処理して」
「消毒するの」
「だからね」
それ故にというのだ。
「別にね」
「汚くないの」
「ええ、うんこでもね」
それでもというのだ。
「消毒したら」
「まあそれはね」
コゼットも頷いた。
「幾らうんこでもね」
「別にでしょ」
「ええ」
こうコゼットに答えた。
「別にね」
「汚くないでしょ」
「だからなのね」
「モンゴルでは今もね」
「うんこを燃料にしてるの」
「昔は拾ってすぐに使っていたわ」
燃料にというのだ。
「そうしていたわ」
「拾ってなのね」
「そうだったわ、チンギス様の頃とかは」
「それは勘弁して欲しいわね」
「いや、それが普通だったから」
当時のモンゴルではというのだ。
「だからね」
「驚くことでもないの」
「そう、昔は昔よ」
「今と違うってことね」
「ええ、ただね」
ナンはこうも言った、馬の首を撫でつつ。
「お肉を焼く時とかも」
「そのうんこを焼く火を使っていたの」
「そうだったのよ」
これがというのだ。
「チンギス様は焼き肉を禁じておられたけれど」
「それどうして?」
「煮るより燃料使うからみたいよ」
それでというのだ。
「神聖な火に肉の脂が触れるからともね」
「不浄っていうの」
「そこは諸説あるわ」
「そうなのね」
「だから昔のモンゴルは」
そのチンギス=ハーンの時代等はというのだ。
「焼き肉とかはね」
「なくて」
「そう、煮るものばかりだったのよ」
「モンゴルっていうと焼き肉でしょ」
コゼットは自分のイメージから言った、彼女としてはモンゴル料理は肉や乳製品の料理で肉料理は羊肉を焼いたものがメインなのだ。
「やっぱり」
「いや、それ後のことだから」
「チンギス=ハーンさんから」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「当時はね」
「煮るものだったの」
「そんなね」
ナンはこうも言った。
「串焼き肉なんて」
「なかったの」
「当時はね」
「そうだったの」
「ええ、けれど今はあって」
その焼き肉もというのだ。
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