第二百十七話 船の中でその三
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「不安を煽ったりもな」
「しますね」
「病気は恐れないでな」
「確かな知識を備えることです」
「それが大事だな」
「はい、そしてこの世界では」
まさにというのだ。
「そこがです」
「しっかりしているな」
「有り難いことに」
順一は微笑んで述べた。
「そうなっています」
「それだけ人が助かってな」
「おかしな事態が起こることは避けられています」
「そうだよな」
「疫病の流行に付け込み」
そしてというのだ。
「人々に不安や恐怖を煽り」
「悪質なデマを流してな」
「邪な目的を達せんとする輩もです」
「その分防げているな」
「有り難いことに」
「そうした奴は本当にいるからな」
「何処でも」
順一も答えた。
「マスコミでもインターネットでも」
「いるよな」
「こうした輩は唾棄すべき悪人ですね」
「本当にそうだな」
「吐き気を催す邪悪というでござるが」
進太も言ってきた。
「そうした輩こそです」
「そうだよな」
「人々の危機によからぬことを吹き込み目的を達せんなぞ」
「最悪の行いだな」
「それを行う輩なぞでござる」
進太は言葉に怒気を込めて述べた。
「許せないでござる」
「本当にそうだな」
「そうした輩を見付けたなら」
ソーセージを食べつつ述べた。
「この世界では」
「俺達が為政者だしな」
「成敗すべきでござるな」
「ああ」
久志もその通りだと答えた。
「本当にな」
「全くでござる」
「そうだよな」
「カルトは往々にしてでござるな」
「そうしたことするよな」
「人の心を救うのではなく」
多くの宗教はそれを目的としているがだ。
「その逆に」
「人の不安とかを煽ってな」
「自分達の手駒にしたり」
「利用するよな」
「そうするでござる」
「そうした連中こそな」
「許してはいけないでござる」
進太は強い声で言った。
「まことに」
「全くだぜ、知識があっても」
「その知識を誰もが持っているか」
「それはな」
真実が究明されていてもというのだ、真実はわかってもそれを誰もが知るかというと決してそうではないのだ。
「ものを知らない奴もいるさ」
「そうでござるな」
「学校の授業を聞かない奴だっている」
「だから真実を知らない人もいるでござる」
「それでだよ」
「そうした人を煽ることも出来るでござるな」
「知ることは武器だよ」
久志はこうも言った。
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