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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第三百二十六話 歯は大事その九

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「そのうちの半分が女の人だと」
「もてていたのね」
「カエサルよりもね」
 こう言っていいだろう。
「もてていてプレゼントも凄かったけれど」
「それでもだったのね」
「女遊びもしなくて」 
 この手の話は本当にヒトラーには少ない。
「それで趣味はね」
「読書となの」
「音楽鑑賞だったんだ」
 その二つだったのだ。
「歌劇も好きでね」
「本当に穏やかね」
「どんな難しい本でも読破して」
 そうしてだ。
「そのうえでね」
「音楽もで」
「音楽はワーグナーが好きで」
 このことは生涯変わらなかったらしい。
「ワーグナーの息子さんの未亡人さんとの結婚もだよ」
「言われていたの」
「実際はしなかったけれど」
 それでそうした関係もなかったみたいだ。
「そうしたお話もあったんだ」
「そこまでワーグナーと関係あったの」
「国家単位で援助までしていたから」
 ワーグナーの音楽をだ。
「本当に好きだったんだ」
「そこまでいくと凄いわね」
「あと建築もね」
 これもだ。
「好きだったよ」
「そこは始皇帝と同じ?」
「日本ではそうした人少ないけれど建築好きな人って多いよ」
「そうなの」
「権力ある人ではね」
 中国でも欧州でもだ。
「多いんだ」
「そうだったの」
「始皇帝はその代表で」 
 そう言っていい人でだ。
「他にも隋の煬帝もだったね」
「大運河ね」
「それにルイ十四世も」
「ベルサイユ宮殿ね」
「こうした人達はね」
「建築好きだったの」
「それでヒトラーも」
 この人もだ。
「巨大な建築物造りたがったんだ」
「そうだったのね」
「まあ二十世紀で技術も発達していて」
 建築のそれもだ。
「それで公共事業でもあったから」
「よかったの」
「この人の場合はね」
「個人の贅沢じゃなかったの」
「個人の贅沢には興味なかったから」
 国家元首は納税をしなくていいとか言って蓄財はしていたらしいけれど個人の贅沢には一切使っていなかった、どうも政治資金と割り切っていたらしい。
「服も地味だったし」
「あの軍服ね」
「ほぼそれしか着てないしね」
 総統になる前は青のタキシードにシルクハットという恰好だったらしいけれどだ。
「それで食べものも」
「菜食主義者だったのよね」
「ソーセージやレバーは食べたらしいけれど」
 基本はだ。
「食事にラードも使わない」
「お魚も食べなかったのね」
「そうした菜食主義者でね」
 それでだ。
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