第十八話 ゴールデンウィークを前にしてその六
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「酷いわよ」
「苦しめにかかってるわね」
「しかもね」
それで終わらずだ。
「最後はね」
「泥舟でね」
「そこにさらにでしょ」
「助ける振りして殺すから」
「確かにあの狸極悪よ」
このことは愛も認めた。
「もうね」
「お婆さん殺して鍋にしてお爺さんに食べさせて」
「そんなことしたことはね」
「絶対に許されないわね」
「けれど兎のしたことは」
「やり過ぎよね」
「よくネットで犯罪者の個人情報公表する人いるでしょ」
愛はこうした人物のことも話した。
「これどうなるかわかるわね」
「ネットに出たらね」
「もうその所業に怒ったり悪意持った人が嫌がらせに動くわよ」
「それ怖いわね」
「わざとそうなる様にしてるから」
だからネットで公表するのだ、その相手の人生を完全に潰して生き地獄を味あわせてやる為にそうするのだ。
それでだ、公表された相手はどうなるかというと。
「相手の人生を潰す」
「確信犯でしてるのね」
「これはもう兎と同じよ」
かちかち山のそれとだ。
「やり過ぎよ」
「やったことは悪くても」
「そう、罪を憎んで人を憎むじゃなくて」
「罪を憎まず人を憎むね」
「そんな人もいるのよ」
「復讐鬼みたいな人ね」
「人間そうなると」
復讐鬼、それにだ。
「もう憎しみで心を支配されてね」
「そうした行為ばかりするのね」
「そんな人の一生は」
それはというと。
「末路は悲惨よ」
「憎しみで動いて」
「幾ら相手が屑でも人生破壊したら」
そうしたらというのだ。
「その屑の人でも家族とか親戚とかいるでしょ」
「お友達とか」
「そう、そんな人がどう思うか」
「言うまでもないわね」
「親しい人がそんな目に遭ったら」
個人情報を公開されたりして人生を破壊されるとだ。
「怒るでしょ」
「それでその人が復讐する」
「そうなっていくから」
「末路は悲惨ね」
「人間憎しみに心を支配されたら復讐鬼になって」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「そうした行為を繰り返して」
「憎しみを買ってね」
憎しみで動いていった結果そうなっていってというのだ。
「自分がやられるわよ」
「それが末路ね」
「あの兎もね」
「最後そうなってもなのね」
「おかしくないわよ」
「そうなのね」
「事実あんなタイプ傍にいて欲しくないでしょ」
「絶対にね」
咲の考えは変わらなかった。
「何されるかね」
「正面からは絶対に来ないわよ」
「後ろから来るわね」
「平気で騙してくるのよ」
「それで延々と攻撃してくるのよね」
「悪意剥き出しでね」
「幾ら相手が悪いことをしても」
咲は心から思った。
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