第十八話 ゴールデンウィークを前にしてその三
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「どんなに死にそうでも一気に抜けるわよ」
「そんなに効くのね」
「だからその時はそうするから」
「終電までには帰るの」
「そうするわね、だからいきなり今日行くって言ってお邪魔しますも言わないで上がり込んできてね」
「図々しくご飯お腹一杯食べてお風呂入って寝て」
「朝ご飯も食べてね」
そしてというのだ。
「その前に人の部屋に勝手に入るとか」
「図々しいことはしないのね」
「そんなことする人咲ちゃん嫌でしょ」
「絶対にうちに来て欲しくないわ」
咲は即答だった。
「そんな人は」
「誰だってそうよ」
「そうよね、さっきのお話通りに」
「だから私もね」
「そんなことしないのね」
「うちだとそんな人来たら即座に叩き出すわよ」
愛も即答だった。
「うちに来た時点でね」
「というか今日行くって言った時点で来るなよね」
「そうなるわ、こっちにも都合があるから」
「今日いきなり言われても」
「こっちの都合も考えろってね」
その様にというのだ。
「なるわ」
「普通はそうよね」
「それでお邪魔しますも言わないで上がり込んでね」
「ご飯お腹一杯食べて」
「それ人のお部屋勝手に入るとか」
「もう二度と来るなで」
「うちだと今日行くって言った時点でよ」
最初でというのだ。
「来るなよ」
「そうよね」
「それでそんな図々しい人はね」
「親戚でも」
「絶対にうちに入れないわ」
咲にまたこう言った。
「何があってもね」
「そうなるわね」
「何様よ、ってなるわ」
「本当にそうね」
「図々しくて無神経にも程があるわ」
こうも言うのだった。
「まあ世の中こうした人もいるけれど」
「常識のない人が」
「それも五十にもなって」
「五十でそれなの」
「そうよ、五十を超えてもね」
そうなってもというのだ。
「そんな人もいるのよ」
「五十でそれってまずいわね」
「相当にね」
「つけるお薬ないかも」
咲は本気でそうした人間にこう思った。
「五十でそれって」
「高校生でもどうかでしょ」
「今日行っていいって聞いて」
「遊びに行くのでもね」
「それでお家に来たらお邪魔しますで」
この挨拶をしてというのだ。
「入ってって言われて入ってご飯もね」
「普通は断るわね」
「自分のお家じゃないから」
だからだというのだ。
「そうするわ、泊まるなんてのもね」
「ないわね」
「親戚でもね」
「それをする人がいるのよ」
「そうなの」
「親がいるからって」
「実家でも普通そこまでしないでしょ」
幾ら何でもだ、咲は返事した。
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