ダブルブッキング?
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」
「うむ。すぐに向かうと急いで帰っていったよ」
ジュラもメルディ同様に別の魔導士たちを依頼に向かわせたところだったらしく、その時に使った資料を整理していたところだったようだ。その時、メルディはある一枚の紙を見て、あわてふためいた。
「え!?この依頼・・・」
「どうされた?メルディ殿」
机の上に置いてあった依頼書を手に取り冷や汗を浮かべるメルディ。その理由がわからず、ジュラは困惑の表情を浮かべていた。
「もしかして・・・あの二人もこの依頼に行ったんですか?」
「うむ。そうだが・・・」
メルディはそこで自分がミスをしてしまったと思ってしまった。彼女が手に持っている依頼書は、先程シリルたちが向かった依頼と全く同じもの。つまり、ダブルブッキングさせてしまったと彼女は思ったのだ。
「私・・・シリルたちもこの依頼に行かせてしまったんですが・・・」
「あぁ。それならカミューニ殿から聞いておるぞ」
申し訳なさそうに答えたメルディだったが、ジュラは気にした様子もなくそう返答する。その言葉の意味がわからず、彼女は首を傾げた。
「お兄ちゃんが何か言ってたんですか?」
「うむ。この二人とあの二人を同じ依頼に向かわせたいとな」
ジュラの手にあるのは各ギルドの魔導士のプロフィールと写真が乗っている資料。そこに写っているのは、赤紫色のビッグテールの少女と、金髪のボサボサヘアの少年。
「人が少ないこんな時に、この子達を同じ依頼に向かわせるのはもったいないんじゃ・・・」
ただでさえ人手が足りていない現在。その中で、フィオーレでも有数のギルドの主力魔導士を複数名使用しての依頼・・・それほどこの依頼が重要だとは、彼女は思わなかった。
「メルディ殿の言う通りだ。だが、今はこうするしかない」
「それはなんでですか?」
「シリル殿とウェンディ殿には申し訳ないが・・・この二人に大きな問題があってな・・・」
ふぅっと一息ついた彼は、二人のプロフィールに目を落としながら、何とも言えないような表情を浮かべていた。
「この二人はシリル殿とウェンディ殿よりも、今後天使と戦うことになってしまった際に重要な立ち位置になる存在。だが、今の二人では、到底その役割を任せることはできん」
厳しい口調のジュラ。それは期待の現れであることと、もう一つの大きな要因があることは、メルディにもすぐにわかった。
「シリル殿とウェンディ殿なら二人をもう一度引き上げてくれる。そのためなら人手不足はいくらでも我々で補う」
聖十大魔道で構成された評議院。その大半は現在多くのギルドから寄せられた【天使の目撃】により席を外しており、ジュラは一人で活動しているような状態。しかし、そうなってしまってでも、彼らはこの問題を解決しなければな
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