ダブルブッキング?
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「メルディさん!!なんですかこの依頼!?」
「暗殺の依頼って・・・違反行為じゃないんですか!?」
正気を取り戻したと同時に、思わず立ち上がる俺とウェンディ。そのリアクションは想定の範囲内だったのか、メルディさんは別段取り乱した様子もなく一呼吸置く。
「落ち着いて二人とも!!今から説明するから」
どうどうと座るように指示をするメルディさん。俺たちは馬かよって、突っ込みを入れようかと思ったが、それどころではないのでとりあえず席につく。
「一応標的が現時点では国王だからってことでそんな依頼書になってるけど、実際はそんなに物騒な案件じゃないから」
「現時点では?」
その問いに小さくうなずくメルディさん。彼女は話を続ける。
「まずこの国も他の国同様、ティオスと天海の被害にあったの。そのせいで魔導士や傭兵といった多くのギルドが無くなってしまったわ」
何度聞いてもこの話題は耳が痛い。直接関わっているわけではないが、それでも原因の一つに自分がなってしまっていることが歯痒くてしょうがない。
「でも、ここからが他の国と大きく変わるところよ」
「何が違うんですか?」
「二人の襲撃の間、フィオーレで言うところの闇ギルドは戦いに参戦せずにじっと身を潜めていたの」
それを聞いて何となく察した。今回の依頼書がなぜこんな風な書き方になっているのか。
「正規ギルドたちが全滅して王国部隊も壊滅状態。そこで目的を達したからなのか、二人はこの国から引いたんだけど、それを見計らって隠れていた闇ギルドたちが国王の首を取ってしまったのよ」
「「「「えぇ!?」」」」
予想していたよりもさらに過激な状況で思わず声が出てしまう。てっきり王座を奪ってしまったくらいだと思っていたのに、その予想を遥かに越えてくるなんて・・・
「それで闇ギルドのマスターが王様を名乗っているんだけど、自分勝手な法律や条例を作ってて、魔法も武力も持っていない一般市民では手が出せない状況なのよ」
だから魔導士たちが顕在しているフィオーレに何とか依頼を出したということか。しかし、わからない点が一つ。
「それで俺たちを指名するのはどういうことですか?」
実質的な討伐依頼なら、俺たち以外にも対応できる人たちはたくさんいる。でも、そうじゃなく今回俺たちは名指しでここに呼ばれた。それがどうにも解せなくて、ついつい聞いてしまう。
「依頼主からの指名じゃなくて、お兄ちゃんからの指名なのよね」
「え?そうなんですか?」
カミューニさんからの指名と聞き、何か裏があるような気がしてきた。いや、別にあの人の性格が悪いからとかではなく、純粋に任務遂行以外の目的があるのではと勘繰ってしまう。
「理由は二人の力がフィオーレでもトップ
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