暁 〜小説投稿サイト〜
なんかポケモンの世界に転生したっぽいんだけど質問ある?
第8世代式 育成法って すげー!・2
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なり、腕も伸びて鋭い爪が備わる。アリゲイツの時に残っていた顔の幼さは消え失せ、精悍な顔付きに変わる。おおあごポケモンという異名の通り、その顎は俺を一口で丸呑み出来そうな程に大きく、そこに生える牙もナイフの様に鋭い。
「進化おめでとう、『オーダイル』。つっても、まだ自分でも変化に理解が追い付いて無さそうだがな」
厳つくなった顔に浮かぶ感情は『困惑』……そりゃそうだ、さっきまで俺より小さな体だったのに、数分も経たない内に俺を見下ろす巨体に変化したんだから。
「さぁて、と。改めてこれから宜しくな!」
友好の握手のつもりで、右手を差し出した。が、オーダイルは動かない。どころか、ニヤリと悪意の見える笑みを浮かべている。その瞬間、オーダイルはその逞しくなった腕と鋭さを増した爪を振り上げ、俺を切り裂かんと振り下ろして来た。
…………まぁ、予想してたんでしゃがみ回避余裕でしたが。
「あっちゃあ、やっぱりこうなったか」
ポケモンシリーズには、他のRPGとは違い序盤からレベルを上げまくって無双出来ない様にとある仕掛けが施されていた。それは、『一定のレベルを超えてしまうとトレーナーの言うことを聞かなくなる』という物だ。ゲームシステム的にはレベルキャップが設定されていて、そこを超えるとトレーナーに反抗する、という設定になっているのだろう。それを解放するのがストーリー上で集める事になるジムバッジで、子供の頃は難しく考えずにバッジを集めていたが、大きくなってから考えると良くできたシステムだなぁと感心する。それがリアルになると、『強くなりすぎたポケモンにナメられる』という形で表れたワケだ。だってオーダイルの奴、こっちみてビックリしてるもの。あわよくば今の一撃で俺をぶっコロして、野生に帰ろうとしてたもの。
「なぁオーダイル、今からでも俺に従う気はねぇか?」
と、一応尋ねてみたが、返答は鼻で笑われた。
「はぁ?何で今更お前みたいな弱い生き物に従わないといかんの?」
みたいな事が顔にデカデカと書いてある。
「あーなるほど、そういう事ね。大体理解したわ」
こういう跳ねっ返りの躾も、リアルだとトレーナーの仕事なワケね。ハイハイ。そりゃジムリーダーとか尊敬される訳だわ。
「要するに、だ。自分の立場を弁えねぇバカは、おイタしない内にその鼻っ柱へし折ってやらねぇといかんのね。ヘイ、ロトム!」
「なんダ?」
「『ブルさん』のボール、出せるか?」
「あいヨ」
スマホの画面からペッ、と吐き出された1個のモンスターボール。中身は俺のよく知るポケモンが入っている。
「さぁて、ブルさん。生意気な後輩にいっちょ教育的指導……かましてやってくれ」
そう言って俺は、そのボールを放り投げた
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