第十七話 冬の入り口その十一
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「だからだよ」
「それに白似合うよね」
「そんなに似合ってる?千春に白は」
「凄くね。だからいいと思うよ」
「そう。じゃあクリスマスの時もね」
白を着てくるとだ。千春は今から言った。
「そうするからね」
「うん、じゃあね」
「希望はどんな服で来るのかな」
「僕?」
「うん。いつも大人しい服だけれどね」
「その時も同じかな。目立つ色の服じゃなくてね」
希望は目立つ色の服は好きではない。どちらかというと地味な服が好きなのだ。だがその服の中でだとだ。彼は千春に対して話したのだった。
「青とか黒でいくよ」
「青好きよね」
「あと緑とかね」
「じゃあ上は青い上着?」
「そうなるかな」
「下は黒いズボンで」
「マフラーとかセーターもそんな色かな」
地味のだ。寒色系だというのだ。
「あとコートもね」
「あのね。服ってね」
「服って?」
「地味な系統もいいけれど」
「派手な服を着るのもいいとか?」
「違うの。大人しい服のその中にね」
地味でもいいがだ。そこにだというのだ。
「明るい服を入れるといいよ」
「じゃあ青とか黒の中に?」
「赤とか黄色とか入れたらどうかな」
「赤がいいかな」
千春に言われるとだ。希望はその色はどうかと自分で言った。
「それだと」
「うん、それもいいと思うよ」
「そうだよね。じゃあ赤かな」
「赤い何を着るの?」
「少し考えてみるよ。けれど寒いからね」
寒さ、ここではこのことも大事だった。
「暖かいものから選ぶよ」
「そうするといいよ」
「じゃあクリスマスの時楽しみにしてて」
希望の服、それもだというのだ。
「それでそれまではね」
「どうするの?まだ冬休みには時間があるよ」
「学校もあるよね」
「うん。どうするの、学校がある間は」
「決まってるじゃない。それならね」
希望は何も迷いも躊躇もなくだ。千春に曇りのない笑顔で答えた。
「普通にこれまで通り過ごせばいいじゃない」
「今まで通り」
「そう、今まで通りね」
こう言うのだった。
「そうしたらいいよ」
「一緒に下校してプールに行って」
「そうしようよ。前にもこんなこと話したと思うけれど」
「そういえばそうよね」
「だから。いつも通りでいよう」
そのいつも通りもだ。今の希望にはだった。
このうえない幸せ立った。その幸せを心から感じ深く感謝しながら希望は今ここにいた。そしてその幸せの中でだ。彼は笑顔でいたのだった。
その笑顔で昼休みは部室に入った。するとそこには。
もう真人がいた。希望は彼にも言った。
「お正月にですか」
「そう。住吉に
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