第三章
[8]前話
「全部ね」
「それは何よりね」
「うん、本当にシロあってよ」
「じゃあ感謝してもしきれないわね」
「そう思ってるわ」
実際にとだ、佳奈は笑顔で応えた。
「私もね」
「じゃあこれからも」
「うん、シロと一緒にいるわ」
「そうするのね、それだけこの子があんたにしてくれるのは」
友人は佳奈が焼いてくれたクッキーを食べつつ言った。
「あんたが拾ったのよね」
「小学一年の時にね」
「つまりあんたに助けられてそれからも大事にしてるわね」
「そうしているわ」
「だったらね」
それならというのだ。
「この子もあんたのことを大事に思って」
「それでなの」
「犬も心があるのよ」
そのシロを見て言うのだった。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「あんたが淳史君と幸せになれたのは」
「私がシロを拾って大事にしているから」
「そうよ、あんたのその行いがね」
まさにそれがというのだ。
「あんたを幸せにしたのよ、この子が促してもあんたは努力したし」
「それでなのね」
「あんた自身があんたを幸せにしたのよ」
「そうなるのね」
「ええ、じゃあこれからも」
「努力してそしてシロも大事にする」
「そうしていくといいわ」
「わかったわ」
笑顔でだった、佳奈は。
友人の言葉に頷いた、するとここでシロは起きて尻尾を振って彼女のところに来た。そのシロの頭を撫でるととても温かかった。
犬がキューピット 完
2021・8・22
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