第二章
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「勇気を出してよ」
「告白しろって言うのね」
「後はね、もうそれだけよ」
「出来たらいいけれど」
それでもとだ、佳奈は言うだけだった。しかし。
佳奈はどうしても勇気が出なかった、しかし。
ある休日バレンタンが近付く中シロを散歩に連れて行っていると。
シロはスーパーの前にぴたりと立ってだ、バレンタインの宣伝をしている店を見てから佳奈に顔を向けて鳴いた。
「ワンッ」
「まさか淳史君に」
「ワンワン」
「そうしてなのね」
「ワオンッ」
ここでもそうだと頷く感じになって佳奈に応えた、そうしてだった。
佳奈はチョコレートやトッピングのものを買って手作りのチョコレートに挑戦した、幸い普段から母の料理を手伝っていて。
佳奈はチョコレートを無事に作れた、そしてバレンタインの朝に。
シロは佳奈をいつも通り朝早く起きると佳奈が自分の机の上に置いていたチョコを咥えてベッドから出た彼女の前に来た。
佳奈はパジャマからジャージに着替えて彼に問うた。
「今から淳史君の家に行って」
「・・・・・・・・・」
今はチョコを咥えているので鳴けないが。
頷いてきた、それでだった。
佳奈はこの日のジョギングを兼ねた散歩では淳史の家に行った、すると丁度朝刊を取りに来た彼に会った。
そしてだ、彼にチョコを差し出して言った。
「あのこれ、まだ早いけれど」
「バレンタインだからなんだ」
「うん、よかったら受け取って」
「有り難う、しかも手作りだね」
「そうなの、頑張って作ったから」
佳奈は淳史に顔を真っ赤にして話した。
「よかったら食べて」
「そうさせてもらうよ」
淳史も笑顔で応えた、これがだった。
最大のきっかけになり佳奈は淳史と交際をはじめられた、それは中学の間も続き高校も同じ県内の公立の進学校に進み交際は無事に続くことになった。
その話を聞いて県内のそこそこのレベルの公立校への進学を決めた友人は佳奈の家に来てこんなことを言った。
「よかったわね」
「ええ、全部シロのお陰よ」
佳奈は自分の部屋にいる友人に部屋で丸くなって寝ているシロを見つつ話した。
「シロが勉強と運動を頑張る様促してね」
「彼に釣り合う様にしてくれて」
「それでも告白を戸惑っていたら」
その時はというのだ。
「バレンタインでチョコを作って」
「あげる様に促したから」
「だからね」
それでというのだ。
「全部よ」
「この子のお陰なのね」
「うん、喋れないけれど」
「犬だからね」
「けれど私のことわかってくれて」
「促してくれて」
「そうしてね」
そのうえでというのだ。
「淳史君と付き合える様にしてくれたのよ」
「まさにこの子あってのことね」
「そうなの」
佳奈は友人に満面の笑顔で
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