新しい敵の話
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螺歩蔵第一高校。
螺歩蔵町にある高校であり、偏差値もそこそこで比較的自由な校訓が特徴の学校。
午後五時、夕日がグラウンドに照りつけ生徒達もまばらになったその校内。
そのとある一室にて、彼らは話していた。
「あのさぁ…私怨マシマシな勝手な行動は困るって言わなかったっけ?俺。」
そこにいるのは複数人の男女。
1人の男は椅子に腰かけ、机に足を投げていかにも偉そうに座っている。
面倒くさそうな仕草で男は、目の前にいる女生徒にそう言っていた。
「しかし、面白いから見に行ってみと促したのはあなたなわけで…。」
「マジメちゃーん、それ言うのやめて。俺なんも言えなくなっちゃう。」
偉そうな男の隣にいた、マジメちゃんと呼ばれた女生徒が口を挟むも、男はやめさせる。
「何?憧れの先輩がどこの誰かも知らない男に盗られちゃったのは見てて悔しかったかい?こーんちゃん。」
「…ッ!」
「会長、そこまでにしませんか。」
こんちゃん。
そう呼ばれた女性は拳を握りしめ、今にも殴りかかりそうな勢いだったがそれもまた別の男に止められる。
礼儀正しく、目鼻立ちも整ったハンサムな印象を受ける男子生徒だった。
「近野さん、あなたは少し短気過ぎる。あなたのその愚かさが今回の事件を招いたと言っても過言では無いんですよ?」
「けど…あいつは先輩を…!」
「それでは困りますよ。フォーリナーのマスターとはいずれ仲良くしてもらわないと困るんですから。」
「嫌だ。駒とか戦力とか関係ない。大体あんなやつ1人殺そうが平気なんじゃないですか?」
礼儀正しい男を突き放し、その女生徒は踵を返して教室から出ていく。
「おーいこんちゃーん。まだお説教は終わってないぞー。」
「関係ない!帰る!あとそのあだ名で私を気安く呼ぶな!!」
ピシャン、と勢いよくドアが閉められ近野さんという女性はいなくなった。
「会長…あなたもあなたです。そうやって煽って焚き付ける癖はどうにかした方が…。」
「えへへ、わりわり。」
頭をかきながら半笑いで、いかにも反省してなさそうな態度の会長。
「そういや尾野、アサシンの件どうなった?」
「枢くんとルーラーが交渉に行ったようですが…果たしてどうなるか…。」
「じゃああいつらは?ほら、アーチャーとキャスター、あとフォーリナー。」
「フォーリナーは私のライダーが交渉しているそうなのですが…目立った進展は聞きません。アーチャーとキャスターは…。」
「私が行くよ。」
会長の隣にいた女性が、手を上げる。
「お?行ってくれんのマジメちゃん。」
「以前頼んだのはアンタだろ。まぁ私のセイバーだったら穏便に済ませられるだろうし、最悪武力行使になったとしても二騎相手だろうが負けないよ。」
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