始まりから夏休みまで
狂戦士との戦いの話
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てないかのように全く感覚がないんだ。
力を入れても、どれだけ頑張ってもまるで動かない。
そこで僕は、昨夜のことを思い出す。
「あの時…僕は何を…。」
気がついた時には、既に走り出していた。
そしてペンを握って、そうしたらお栄ちゃんの傷が…。
本当に僕は…何をしたんだ…?
「気がついたかい?」
「お栄ちゃん…?」
いつもの聞きなれた声がした。
そこにいるのはテーブルで絵を描いているお栄ちゃん。
彼女の姿はなんともなく、怪我もない。
「しかし焦ったサ。何せ三日も寝てたんだからナ。」
「み、3日!?」
「ああ、おっ死んじまったかと思った。」
かなり眠っていたどころじゃなかった。
僕は3日間も、目覚めないで寝続けていたみたいだ。
「あん時のことはきるけえや巴御前に話してある。安心しナ。」
「でも…僕。」
「にしても驚いたナァ。あの摩訶不思議な力、なんだい?」
絵を描くことをやめて、お栄ちゃんは寝ている僕の隣に座る。
「分かんないよ。気がついたらああなってて…ただ、お栄ちゃんを負けさせたくない…守らなきゃって思ってて…。」
「そうかい、安心しナ!マイのおかげで鬼武蔵とかいうやつはコテンパンにやっつけた。きっと愛の力ってやつサ!」
きっとそんな言葉では片付けられないものだと思う。
でも、おかしい。
あのロボに噛まれて以降。僕の右腕は何やら変だ。
妙に治りが早くなったり、教会では尋常じゃないくらい痛くなったり、
そしてこうして右手が動かなくなったのも、あの時右手から力が湧いてくるような感じがしたのも、
どこか不思議だ。
僕の右手…本当にどうなっちゃったんだろう…。
「手、どうしたんだい?」
「うん…右手がイマイチ動かなくて…。」
「そうかいそうかい…そいつァ大変だなァ…?」
「…っ!!」
悪寒がした。
背筋を、寒気がゾクリと走り抜けた。
「なぁに安心しナ?自分で慰められない分、性処理はキッチリおれがしてやる?」
「い、いいです。結構です!!!!」
お栄ちゃんは笑っている。
しかしその笑い方は悪意に満ちていて、これから僕をどうしてやろうかなといった眼差し、
三日月形に歪んだ口、にんまぁといった感じの笑い方は僕にかつてない恐怖を植え付けた。
「そういや、マイがあんまりにも寝てるもんだからおれも気ィ使ってシてねぇのサ。」
「…!」
僕の耳元で、悪魔がそう囁いた。
「ナァ…?おれも相当"溜まって"んだ。犯させろ?」
「やだ…やだぁぁぁぁぁ!!!!!」
そうして右手の謎は深まるばかりで、有耶無耶のまま僕はその後一日中犯された。
しかし数日経つと右手はなんの問題もなく動くようになり、後遺症みたいなものもなかった。
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