始まりから夏休みまで
狂戦士との戦いの話
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笑い飛ばしながら、ゆっくりと起き上がった。
「あー面白ェ!おい女、お前思ったより面白ェ奴だな!!」
槍を杖代わりにして、起き上がる鎧男。
フルフェイスの兜の隙間からは吐血したであろう血が滴っている。つまり、普通なら笑い飛ばせるほど軽いダメージなんかじゃない。
この鎧男は大ダメージをくらっても、こうして笑っている。
お栄ちゃんの言った通り、こいつは狂戦士。
バーサーカーのサーヴァントだ…!
「真名は明かすなってセイバーにこっぴどく言われてっからな。褒美に異名は教えてやるよ…。」
「…異名かい?」
「オレはな…"鬼武蔵"ってんだ。」
男が、槍を高々と掲げる。
そして…
「嗤え…『人間無骨』ゥッ!!」
彼の得物である槍。
その先端が二つに割れ、中からはもう1つの刃が現れる。
十文字槍のようになったそれを振り回し、自らを鬼武蔵と名乗った男は駆けた。
「一切合切ブチ撒けるゥ!!ヒィィィィハァァァーーッ!!!!」
「…!」
お栄ちゃんは大筆をかまえ、また返り討ちにしようとする。
でも、
「お栄ちゃん!避けて!!」
嫌な予感がした。
反射的に僕はそう叫ぶも、時すでに遅し。
「くぅ…ッ!」
お栄ちゃんは既にその槍を受け止めていた。
「人間無骨…聞いたことある。その得物の切れ味にかかりゃ、人間なんて骨がないも同然に簡単に斬れるって代物だろ?」
「ああ、こんな風になァッ!!」
途端、槍から有り得ない音がする。
ギュイイインという機械的な音。一瞬なんの音かと思ったけどそれは、
「こいつ…槍が削って…!」
「ヒィーハァ!!!てめぇごと真っ二つにしてやらァ!!!」
槍。
中から現れた刃が、激しく音を立て大筆から火花を散らしている。
あれは…チェーンソーだ!
チェーンソーみたいに小さい刃がいくつも並んでて、それが高速で動いているんだ!
「オラァ!!」
何かを察知してお栄ちゃんは身を引く。
だがその人間無骨に肩が掠り、着物の肩口部分がスッパリと斬れ、鮮血が吹き出した。
「ぐ…うっ!」
「お栄ちゃん!!」
「来るな!!」
距離を取り、離れるお栄ちゃん。
顔をしかめ、血の止まらない肩を抑えながらもお栄ちゃんは叫ぶ。
「おれは葛飾北斎…マイのさあばんとだ。そんなおれが…負けると思うかい?」
「でも…!」
「そこで見てナ。今に勝つからヨ。」
大筆で鎧男を指し、叫ぶ。
「鬼武蔵殿!」
「あ?なんだ?」
「あんたが誰だか知らねぇ。そして上に何がいるのか毛頭興味ねぇ。けどナ、マイに手ェ出すってんなら今ここで倒す。」
「その怪我でか?掠ったとはいえ割と深くいってんだろ?それ。」
鬼武蔵の言
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