第十七話 裏側のことその十三
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「だからな」
「逃げた方がいいのね」
「ああ、そのことも覚えておくんだ」
「そうね、若し」
咲は速水とはじめて出会った時のことを思い出した、その時彼に後ろから声をかけられてコンビニの中に入っておかしな男と巡り合わずに済んだ。
その時のことを思い出してだ、咲はこうも言った。
「それとね」
「どうしたの?」
「そうした人に出会う出会わないのも運命かしら」
母に述べた。
「そうかしら」
「そうよ、運命もね」
「あるのね」
「それ次第でね」
まさにとだ、娘に話した。
「出会う出会わないもね」
「あるのね」
「それでも運命は変えられるわ」
「悪い人と出会っても」
「見極めるの、悪い人ならね」
「逃げるのね、お姉ちゃんも言ってたし」
愛の言葉も思い出した。
「そうしないと駄目なのね」
「特に悪いことに誘う人は」
そうした者はというのだ。
「何があってもね」
「近寄らないことよね」
「麻薬とか犯罪にね」
「もうその時点でよね」
「それで外見、目の光とか物腰とかに出るから」
「お姉ちゃんも言ってるわ」
また愛のことを思い出した。
「本当に」
「愛ちゃんは色々お話してるのね」
「そうなの」
「愛ちゃんは派手なだけなのね」
「そうだな」
母だけでなく父も頷いた。
「そうした娘か」
「そうみたいね」
「見方をあらためないといけないな」
「本当にそうね」
「だからお姉ちゃんは悪いこと言わないししないわよ」
咲は愛のことを両親にここぞとばかりに話した。
「本当にね」
「ええ、じゃあね」
「今度あの娘とじっくり話してみるか」
「それがいいわね」
「そうだな」
「というか今までそうしてこなかったの?」
咲は両親の今の言葉に眉を曇らせて問うた。
「お姉ちゃんと」
「親戚でも離れて暮らしてるしな」
「同じ東京都に住んでいてもね」
「昔はよく会ったけれどな」
「最近はあまりだったし」
両親は咲にすぐに答えた。
「しかも派手になって」
「そんなのだったからな」
「ファッション派手なだけだから」
咲は愛のことをこう言った。
「だからね」
「ここはか」
「愛ちゃんとじっくりお輪することね」
「お姉ちゃんには私が話しておくから」
娘として間に立つことも申し出た。
「それじゃあ今度ね」
「ああ、愛ちゃんとな」
「三人でじっくりお話してみるわ」
「そうしてみて。というかお姉ちゃんこれまで悪いことしたことないでしょ」
警察沙汰になったり深刻な校則違反はというのだ。
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