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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
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こそ白雪の護衛をキンジに依頼した張本人だ。
「まぁ、そうなりますねぇ」と自分も苦笑を返してから、「申し訳ないですが」と付け加える。
「この状況で出場するってのも、それはそれで頭のネジが吹っ飛んでて面白ぇけど」冗談めいたことを言いつつ、綴は蘭豹の隣のデスクに座って足を組んだ。見えた銃がこちらを覗いている。
「本来ならば出場できたはずのアドシアードに出られない、っていうのも酷な話だよなぁ……。2人は遠山と一緒に星伽の護衛をしてるんだろ? アドシアードのお祭り騒ぎに乗じて《魔剣》が狙うのはそこだろうから、そこで堂々と隙を見せる馬鹿も居ない……。はぁー、面倒なこった」
片方は紫煙を朦朦と立ち昇らせながら、もう片方はそれを手で払いながら、綴と蘭豹とは自分たちの出場を見送るにしても、わりあい双方にとって都合の良い結果を模索しているようだった。
「あっ、そうだ。これでいいじゃん」さも名案だと言うかのような、平生とは異なった綴の口調に意識が引かれる。「星伽の護衛を、お前たち2人にも教務科から正式に依頼すんだよ。そうすれば解決金が入るだろ? んで、アドシアード出場ぶんの単位も余分にくれてやるからさぁー」
その話に自分は「なるほど……」とだけ相槌を打ちながら、先を促すように沈黙した。綴は葉巻の灰を灰皿に軽く落とすと、隣の蘭豹にも「これでいいんじゃねぇの?」と訊いている。
「まぁ、それが穏便やな」と彼女も1度は納得したが、やにわに首を横に振った。「……いや、やっぱり駄目や。如月と神崎は進級できる単位をとっくに揃えとる。繰り越し制度があるっちゅうても、流石に要らんやろ。どうせなら金の方がえぇ。そっちの方が実用的やしな。どや?」
単位と金、どちらが欲しいのか──2人は自分たちに、そう問いかけているように感じた。確かに蘭豹の言う通り、自分もアリアも進級できるだけの単位は既に揃えてある。ということを考えると、単位よりも多用途に融通が効く金銭を得た方が良いのは明々白々だった。アリアも同じ心持ちのようで、優遇されているようで気恥ずかしいのか、控えめに笑みを浮かべながら頷く。
「うん、蘭豹先生の案に賛成です。金銭の方が、取り回しが良いので」
「そうね。アタシも彩斗に同意かも」
「よっしゃ、これで決まりやな。そうなると書類を準備せにゃあかんか……」
蘭豹は肩の荷が降りたような笑みを零してから、一転して慌ただしそうに席を外していった。その背中を目で追いながら、はて、残されてしまったもののどうすれば良いのか──と思案する。
取り敢えず彼女が戻るまで待機していようと決断した刹那に、何やらアリアが言い淀むように、綴に対して質問した。「……ねぇ。どうして、アタシたちをここまで優遇してくれるわけ?」
自分と同じに蘭豹の動向を追
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