第2話 模擬戦闘(前編)
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その言葉と右手の拳を絋汰の胸に叩き込み、駆紋戒斗はこの世を去った。
始まりの男となった絋汰は舞と共に、宇宙の果てにある生物のいない星で一から世界を作る選択をして、去っていった。
「祝福された世界を追われ、荒野へと去った男と女。新たな創世の神話がまた一つ......次はどんな種族が進化の試練へと向き合うのだろうな?」
その声は割と近くから聞こえた。
「よう」
ターバンを巻き、何処かの民族衣装を纏った男がそこには立っていた。
手にはアタッシュケースが握られており、異質さを放っている。
「......アンタは?」
「俺が何者かーーーそんなのはどうでもいい。重要なのはそこじゃない。だが、まぁ......以前はサガラとか呼ばれてたから、そう呼んでくれて構わない」
「前?」
「さっきお前も見てただろ?知恵の実を巡る死闘。あの後、新しい知恵の実が芽吹いたのさ」
「芽吹いた?......どこに?」
「どこにってそりゃーーーまぁいい。お前がどんな選択をして、どんな未来を歩むのか、楽しみだな......木場七海」
サガラは持っていたアタッシュケースをナバナに渡した。
「......開けても?」
「お前にやるよ。今のお前に必要なモノだ」
アタッシュケースの中には刀のようなパーツの付いた黒い板状の何かが入っていた。
「これは......」
さっきの決戦の中で二人が腰に装着していたモノだった。
「確か......こうだったか?」
見様見真似でナバナは腰に装着した。
瞬間、ナバナの頭の中に流れたのは、この装置の名前と使用方法、その用途に至るまでのすべての知識が流れ込んできた。
まるで動画を見せられているように使い方が分かってしまった。
「戦極ドライバー......ーーーなるほど。こう使うのか」
「使い方は分かったみたいだな。だが忘れるなよ?力を持って成せるのは破壊だけだ」
「ーーーどうかな。使い方次第だと俺は思う」
その回答に、サガラは少し驚いた表情を浮かべていた。
ナバナの意識が段々と遠のいていく。
夢の世界から、ナバナの意識がなくなった。
「まったくーーーアイツと同じ答えだ。なんだか似てるな、葛葉絋汰に」
誰にも聞かれる事のないサガラの声が、夢の世界に消えていった。
ーーーNow Loading......ーーー
ナバナが目を覚ました時、馬乗りになるようにエントマがこちらをじっと見つめていた。
「やぁエントマ。」
「呑気ですね。この状況で軽口が叩けるとは」
「眠っている間ではなく、俺の意識がある時に甚振って殺すのが目的かい?」
「そうですね。貴方が挙げる悲鳴には大変興味がありますね」
ゆっくりとエントマはナバナの頭を昆虫のような鋭い足6本で掴ん
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