第三章
[8]前話
「ブラックが来てからね」
「出してたものどんどん売れたわね」
「だからね」
「ブラックはなのね」
「幸せを招いてくれるのよ」
「そうした子なのね」
「この子が来てよかったわ」
薊は茜に満面の笑みで話した。
「本当にね」
「それは何よりね、じゃあこれからも」
「ええ、ブラックとね」
満面の笑みのまま話した。
「一緒に暮らしていくわ、ただもうお外には出さない」
「家猫にしてるのね」
「実際にそうしてるから」
「外に出たら病気に感染するかも知れないしね」
「他の猫や犬や烏がいてね」
「車も走ってるからね」
「家猫にしてるの、だからね」
それでというのだ。
「バザーにはね」
「連れて行かないわね」
「ええ、けれどね」
「これからもずっと一緒ね」
「そうして暮らしていくわ」
薊は満面の笑顔のままだった、そしてそこに。
ブラックが来た、彼は二人のところに来ると一声鳴いた。
「ニャア」
「何か見てるだけでね」
茜は彼を見て話した。
「自然とね」
「幸せな気持ちになるでしょ」
「ええ、うちの子達を見ても」
「ハムスターのね」
「そうなるけれど」
「やっぱり生きものが一緒だと」
それならというのだ。
「それだけでね」
「幸せな気持ちになれるわね」
「そうよね」
二人でこう話してだった。
ブラックの頭や背中を撫でた、すると彼は嬉しそうに喉を鳴らした。すると二人共その彼を見ただけで幸せな気持ちになったのだった。
黒猫マーケット 完
2021・8・19
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ