悪者の王国
ありえない依頼書
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とはしないんだけどさ。
第三者side
「いやぁ・・・それにしてもホント・・・あっちぃな」
額を伝う汗を拭いながら船から降りていくカミューニ。この国は夏でも起こり得ないほどの異常気象に見舞われている。
「で?どうよ。変な奴の気配とかする?」
赤色の髪をかき上げながら、少しでも風が当たる面積を増やすカミューニ。しかし、後ろにいて声をかけられた人物は、彼と逆行した格好をしていた。
「いや・・・特に殺気もないな」
黒装束に身を包んでいるその人物は、前に立つ彼よりも頭一つ分背が高い。彼は周囲を見回した後、そう答えていた。
「そっか・・・じゃあやっぱりウェンディの言った通り、もうどっかに行っちまったのかもな」
ウェンディから事の詳細を聞いていたカミューニ。彼は現在の状況を把握するためにやってきたのだが、案の定目的の人物たちとは入れ違いになっていたようだ。
「俺はもう少し見ていくけど、お前は待ってるか?」
「お前に死なれでもしたら敵わん。付いていってやる」
「そう言ってもらえると助かるぜ」
欲しかった回答を得られたからか、満足げな表情で先を行くカミューニ。後に付いていく人物は、仕方ないといったようなタメ息を付きながら、ゆっくりとした足取りで後をついていった。
シリルside
「なんか新しくなった?評議院」
呼ばれたその場所に着くと、真っ先にそんな感想が口から出てしまった。なんか建物が妙に新しいような気がするけど・・・なんで?
「冥府の門との戦いの時に一度壊れてるからね。その時に直したんじゃないかな?」
「あったね、そんなこと」
ずっと昔のような気がしてたけど、まだあれから二年くらいしか経ってないんだよね。そう考えると時間が流れるのって早いなぁ・・・
「シリル!!ウェンディ!!」
そんなことを思っていると、上から懐かしい声が聞こえる。そちらを振り向くと、そこには窓から身を乗り出してこちらに手を振るメルディさんがいた。
「メルディさん!!」
「カミューニさんから呼ばれて来ました!!」
「わかってる!!早く上がっておいで!!」
呼ばれるがままに中に入り、階段で上へと上がっていく。二階に着くと、階段のところでメルディさんが俺たちを温かく迎えてくれた。
「待ってたよ!!こっちこっち!!」
有無を言わさずどんどん先へ進んでいくメルディさん。俺たちも慌てて追いかけ、案内されるがままに席に着く。
「いやぁ、大変だったね。二人とも」
「聞きましたか?」
「うん!!ウェンディが大泣きしながら来るからビックリしちゃった!
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