聖杯戦争のルール
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ばるハルト。
ドライバーオンの指輪を使っている間に、紗夜へ別の殺意が向けられる。
「ッ!」
それは、魔槍ルーラを向けるスイムスイム。
紗夜の表情が恐怖で凍り付く。だがすぐに、左半分だけが歪む。
「邪魔だよ」
怯えた表情の右目に対し、吊り上がった左目。
そのまま紗夜の左手より、黒い雷が放たれる。
それは紛れもない、トレギアの主力技。
飛び出した勢いのあまり、防御などできないスイムスイムは、その電撃をまともに浴び、ハルトの隣に激突した。
「……!」
コンクリートの瓦礫の中に埋もれたスイムスイムは、やがて動かなくなった。気絶した様子の彼女を見て、ハルトは驚く。。
「液体の体を……貫通した……!?」
「光は、どうやら防げないようだね」
それを見て、紗夜___正確には、紗夜の左半分___が口角を上げる。
「やめて……」
それは、紛れもない紗夜の声。
「日菜に……何をするつもりなの……?」
「ククク……言っただろう? 君の望みを叶えると」
そのまま紗夜の左半分は、手に持ったアイマスクを装着した。
それはもう、体の持ち主の意思ではどうにもなりそうにない。
右目から涙をながし、プルプルと震えながらそれを顔にあてる。
あふれ出した闇が紗夜を包み、その姿を変えていく。
「紗夜さん!」
ハルトが叫ぶももう遅い。
彼女の姿は、頭を抱え、苦しむトレギアの姿に変わっていく。
「松菜さん……助……け……ああああ……」
彼女の声も変わっていく。
体を大きくのけ反らせる、悪魔。道化。
背中を向け、その背骨を大きく曲げながらこちらを下目で見つめるフェイカーのサーヴァント。
「やはりマスターの体を使うのはいい……令呪を媒体に、私の存在をより濃くしてくれる」
トレギアの体に、より一層の闇が降りていく。
ハルトは、トレギアを睨みながら、再び火のウィザードへ変身する。
「トレギア……お前は一体何が目的なんだ……? 聖杯戦争で生き残ることか? だったら、こんな回りくどいことしないで、直接俺たちを叩けばいいじゃないか。そうでなくても、紗夜さんをここまで苦しめる必要なんてない。何のために?」
「何のために?」
トレギアは口を抑え、笑い声をあげた。
「忘れたのかい? サーヴァントは、人の命を吸うことで強くなる」
「……ッ!」
「マスターともなれば、格別だ。令呪という強大な魔力を得られるからね。あの鹿目まどかという少女も、なぜか無数の因果律があったため興味があったが……この小娘の令呪だけでも十分だ」
「お前は……」
確かにそれは、聖杯戦争に参加するときに監督役から聞いた。
だがそれは、アカメも千翼
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