聖杯戦争のルール
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る。
もう一度トレギアに挑もうとするが、合成怪物が邪魔してくる。
赤い雷が、ウィザードに向かう。
『スモール プリーズ』
体を縮小させることで無数の雷を回避、元に戻ると同時にソードガンでその腹を突き刺す。蜘蛛の怪物の頭部を腹に据えたそれは、火花とともに大きく揺れた。
『フレイム スラッシュストライク』
続けざまに、ウィザーソードガンの手を開く。炎の斬撃を放つ寸前、怪物は鉤爪を振るった。
二つの刃は、同時にそれぞれの相手に命中。ウィザードと合成怪物は、互いに大きく吹き飛ばされ、地を転がった。
「ぐっ……」
「おいおい……結構元気そうだな」
キャスターの光線を避けながら、トレギアはせせら笑う。
ウィザードは起き上がり、トレギアを見上げた。
「お前は危険すぎる……」
「へえ……ひどいなあ」
トレギアは薄ら笑いをしながら言った。
「なら……これを見たら、それでも私を倒そうとするのかな?」
トレギアは、自らの仮面に手をかけた。やがて、その群青色の仮面が外れる。果たして、彼の体より群青色の闇が仮面に吸い付く形で抜けていく。
そして、そのトレギアの仮面を手にしているのは、紗夜以外の何者でもなかった。
「紗夜さん……!?」
ついさっきまでスイムスイムに狙われていた少女が、トレギアの正体。
そんな事実を受け入れることなどできず、ウィザードは目を疑った。
だが、紗夜はそんなウィザードから目を背けた。
「松菜さん……」
「本当に……紗夜さんなのか?」
ウィザードは、思わず変身を解く。
ハルトとなり、数歩紗夜へ歩み寄る。
瓦礫の上に立つ紗夜は、トレギアの仮面を下ろし、その左手を右手で抑えている。
「はい。私です」
「どうして……!?」
「私は……私は……」
紗夜は頭を抱えながら呻きだす。そんな彼女の体からは、紫色の闇が立ち上っているようにも見えた。
「紗夜さん……!?」
「私は……日菜に……追いつけないから……」
「日菜ちゃんに追いつけないって……まさか、それだけのためにトレギアに魂を売ったって言うのか!?」
それに対し、紗夜は無言を貫く。
肯定としか、ハルトに受け取れなかった。
「それじゃあ……紗夜さん、君は日菜ちゃんに勝つためにトレギアに魂を売ったのか!?」
「おいおい。ちょっと酷くないかい? まるで悪魔みたいな言い草じゃないか」
それを言うのは、紗夜の姿、紗夜の口。だが、明らかにそれは彼女の意思ではない。
紗夜に憑く、フェイカーのサーヴァント。
「トレギアッ!」
「私はただ、迷える子羊に手を貸しただけだよ。何も困らせてはいない」
「ふざけるな……!」
歯を食いし
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