聖杯戦争のルール
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ほむらのその言葉が、ウィザードには明光となった。
合成怪物が開けた穴より飛来した、黒い天使、キャスター。彼女はウィザード、スイムスイムを一瞥し、ほむらの前に降り立つ。
「ミストルティン」
キャスターが放つ、七本の白く輝く槍。
だが、合成怪物は全身の各所からの一斉発射で、その槍を全て相殺する。
「おやおや。賑やかじゃないか」
その声に、ウィザードの背筋が凍る。
やがて、壁の穴より、その姿は現れた。
青い、仮面をつけた闇。
フェイカーのサーヴァント、トレギア。彼は腕を腰で組んだまま、状況を見てせせら笑う。
「やあ、ハルト君。私も仲間に入れてくれないかい?」
「トレギア……!」
思わぬ強敵に、ウィザードは仮面の下で青ざめる。
トレギアは、ウィザードの姿を認めてクスクスと笑う。
「おや。君も聖杯戦争の真っ最中と見える」
トレギアは起き上がったスイムスイムを見ながら言った。
「君も元気に殺し合いをしているじゃないか。どれどれ。私も参加しようじゃないか」
ウィザードは銀の銃口をトレギアに向けた。
「お前っ!」
だが、主への銃口を、その怪物が許すはずもなかった。
合成怪物の鋭い鉤爪が、ウィザーソードガンを弾き飛ばす。
「!」
そのまま、合成怪物はウィザードの体を切り裂いた。
さらに大きくのけ反り、棚を上から倒し崩す。
「松菜ハルト!」
ほむらはロケットランチャーを取り出し、合成怪物へ発射。
だが、怪物は中心の蜘蛛のような顔から糸を吐き出す。それは、ロケットランチャーを捉え、そのままキャスターへスイングされる。
「!」
防壁を張り、巨大な弾丸の爆発より身を守るキャスター。その間にも、合成怪物は壁から攻撃してくるスイムスイムとの戦いになっていった。
「トレギア……ッ!」
『チョーイイネ キックストライク サイコー』
起き上がりと同時に、ウィザードは最強の指輪を使う。炎を右足にためながら、魔法陣を発生。
魔法陣を蹴る形で、トレギアにストライクウィザードを放つ。
「ダメだなあ……」
一方、トレギアは首を振りながら、体を反らす。
空振りした必殺技は、そのまま怪物たちが現れた穴の上の壁を砕き、崩落させた。
「おいおい。もう少し頑張ってくれよ」
トレギアは音もなく着地する。
さらに、そんなトレギアへ、スイムスイムの槍が地面から襲った。
「ふん」
首を反らし、離れていく。
「君には……あんまり興味ないかなあ?」
トレギアは浮かび上がり、その赤い目から光を放つ。スイムスイムの足場ごと破壊するそれは、液体の体を持つ彼女にも大きなダメージを与えてい
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