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有栖キャロの小学校物語
第13話 夏穂ちゃんの過去話です
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ほど悔しかった………

「だからバカなんだよお前は………」

そんな私にしゃがんだ伸也がハンカチを渡してきた。

「やって来た事に無駄な事なんかあるかよ。お前のしてきた努力はこの先様々な事に役立つだろうし、こんな簡単に成長は止まったりしないよ。それにやり過ぎが良くないだけで、別に鍛錬することに反対はしない。ちゃんと休憩を入れて、やりすぎなければ強くなれるさ。だからそんなに焦るな。人生まだまだ先は長いんだぜ。それにな………」

私の腕を掴み、私を立たせて、

「そんな風に頑張ってもちっとも楽しく無いだろ?」

そう言って二カッと笑った。
その時、私の心の中がスカっとした。

私は最強を目指していた。
おじいちゃんの為………私が最強になればまたおじいちゃんに会えるかもしれないと思っていた。
その為にもってがむしゃらに頑張って、無理をして………

別に私はおじいちゃんの為に合気道を始めた訳じゃない。

おじいちゃんの綺麗な動きに憧れて合気道を始めたんだ。
最強を目指して訳じゃない………

「そうだね………私はね、本当はおじいちゃんの綺麗な動きを見て憧れて合気道を始めたんだ。稽古は厳しかったけど、うまく技が決まった時はとても嬉しかったし気持ち良かった。なによりおじいちゃんに褒められた事が一番嬉しかった」

「そうか………」

「だから私は最強になればおじいちゃんが会いに来てくれると思ってたんだ。そんな事ありえないのに………」

2人は黙って聞いてくれている。

「ありがとう伸也君、佐助君。私、気づけて良かった」

「別に構わない………」

「気にしちゃいねえよ。それと君はいらない。俺も佐助も呼び捨てでいいよ」

「うん、私は夏穂。これからもよろしくね」









「それから私はいつもあの2人と一緒にいたわ。あの2人はすぐに暴走するから抑えるのが大変だったけど、1人でいた時よりも凄く楽しかったわ」

「夏穂ちゃんは今でも鍛錬を?」

「それはやっているわよ。私が目指しているのはおじいちゃんみたいな綺麗な技だから」

「そうなんだ………出来るようになるといいね」

「………ありがとうキャロ」

そんな時、階段を降りる音が聞こえてきた。

「あら終わったの?」

「母さん、また俺の大事なお宝が消えたよ………俺泣いていいかな?」

「いいわよ。だけど泣いたからって何も変わらないけどね」

「理不尽………」

「そんな事よりお菓子早く食べないと無くなっちゃうわよ」

「「なっ!?」」

そうお母さんが言うと2人は凄いスピードでこっちにやってきました。

「お菓子ー!!あ、チョコパイ!!」

エローシュ君が手を伸ばします
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