第13話 夏穂ちゃんの過去話です
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らなきゃ………」
私は痛みを耐えて頑張っていた。
だけどもう限界だった………
「はぁ、たぁ………くっ」
腕に痛みが走る。
「痛い………」
痛みで泣きそうになるけど、我慢する。
私は止まる訳には行かないんだ………
「ぐすっ、泣いちゃ駄目なんだ………頑張らないと………」
立ち上がり構える。
だけど痛みで腕が上がらない
「何でよ………お願いだから上がってよ!!」
叫ぶがそれでも変わらない。
「ったく、世話の焼ける………」
頭をかき、そう呟きながら伸也が物陰から現れた。
「佐助!」
「イタッ!?」
私の痛めている腕を掴み、佐助を呼んだ。
「分かってる」
一緒にいたのか物陰から直ぐに現れた。
佐助が取り出したのは湿布。
だけど市販されているものとは違うものだ。
「お父さん特製の湿布。凄くヒリヒリするけど凄く効く」
しかし、湿布を受け取った伸也は佐助が話し終わる前に、私の痛い箇所を見つけ、さっさと湿布を貼ってしまった。
「っ〜!?」
佐助の言った通り、凄くヒリヒリする。
だけど気持ちいい………
「さて、千歳」
「な………」
パン!!
何と言おうとする前に、私はいきなり伸也に頬を叩かれた。
「何するのよ!!」
「何するのよじゃねえ!!お前自分のしていた事が分かってるのか!?あんなに無茶をして………下手をしたら腕が使いものにならなかったかもしれないんだぞ!!」
「だ、大丈夫よ!!私はそんなにヤワじゃないわ!!」
「どの口が言うんだよ、涙目で痛みを堪えてたくせに………」
「な、泣いてなんか………」
「バカでアホで無謀なお前に一つ教えてやる。人はな成長するにあたって体も強くなっていく。その成長途中に体に負担をかけすぎると返って成長を妨げるんだよ。だからお前の無茶は逆に自分を弱くしてるんだよ!!」
「嘘だ!!そんな事無い!!」
「お前は俺が何て言われてるか分かるよな?」
「神童………」
「ハッキリ言ってお前以上に頭は良いし、沢山の事を知っている。それじゃあ信じられないか?」
「で、でも………」
「なら聞くが、無理をしてきてお前の実力は向上したか?」
………してない。
おじいちゃんと稽古をしていた時の方が強かったかもしれない。
そんな事ありえないと心の奥底で否定していたから今まで考えなかったけど………
そんな………私のやっていた事は無駄だったの?
私はその場で崩れ落ちた。
「ごめんおじいちゃん、私………私………」
私の頬に涙が流れる。
この時初めておじいちゃんが死んでから涙を流した。
それ
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