第13話 夏穂ちゃんの過去話です
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「だけどね、その内おじいちゃんとの約束の事を思うとこれでいいのかって思うようになったんだ」
「えっ、でもそれって………」
「そう、あの二人から離れる事にしたのよ。もう一緒にいないでってね」
「………どう言うことだ?」
「おじいちゃんとの約束の為に私は最強にならなきゃいけないの。だから………」
「最強ねぇ………」
そう呟くとバカにするよな顔で見てくる伸也。
「何よ、悪い!?」
「結構大人びてると思ってたけど、案外ガキだったんだな………」
今度はクスクス笑い始める。
「笑うな!!何よ!何にも知らない癖に!!」
「そりゃあ知らないさ。何も話してくれないんだからな。まあおじいちゃんの約束って話を聞けばだいたい想像はつく」
私は伸也が神童と言われていた事は知っていた。
それにより孤立していたことも。
事実、私も最初は話したいとも思わなかった。天才のイメージは人を見下して、自意識過剰な部分があると当時の自分は思っていたのだと思う。
実際話してみると微塵も感じなかったのだけど………
「じいさんが何かの理由で合気道出来なくなって、その意思を受け継いでいるって所か?」
「おじいちゃんが死んじゃって、私はおじいちゃんのいる天国にまで届く最強の達人になるって誓ったの」
「そうか………」
「だから私は頑張らなくちゃいけないの。全てはおじいちゃんとの誓いの為に………」
「悪かったな、バカにしたように言って………」
「いいわよ、だけど分かったでしょ?だからもう私と………」
「だがやりすぎは返って駄目」
伸也と話していた私に佐助が口を挟んできた。
佐助は自分から話すことは少なく、結構珍しい。
「鍛錬はやりすぎても効果は無い。適度に休んで、時間をしっかり決めてやることがベスト」
「何よ、知ったかぶって」
「僕もしている事があるから分かる」
そう言った佐助の顔は凄く真面目で冗談で言っている様には見えなかった。
「………けれど普通じゃ駄目なのよ。私は少しでも早く強くならないと」
「結構頑固だな千歳」
「これは譲れないから………」
「………分かった。佐助、行こう」
「………分かった」
佐助に声をかけ、二人はこの場から離れていった………
「これでいいんだ………」
彼らが来なくなってからも私は鍛練を続けた。ひたすら何度も何度も。
家に帰っても時間があればやっていた。
だけど………
「うっ………」
無理が響いたのか、ある日腕がとても痛くなった。
ちゃんと自分でケアしていたけど、それでも痛みが引かない………
「でもや
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