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有栖キャロの小学校物語
第13話 夏穂ちゃんの過去話です
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った。

「たあ!!」

相手を投げる動き。
相手はいないのでイメージで動く。相手のイメージも毎回変える。

「でやぁ!!」

「はぁ、たぁ、でやぁ!!ってゲームで戦闘するキャラの掛け声みたいだな」

「暗殺するなら声を出したらいけない」

「いや、しないだろ………」

後ろから2人で話している男の子の声が聞こえる。

「はぁ………」

最近いつも見に来ている。
彼らは一体何しに………

「いっそ、大声で叫ぶようにしたらどうだ。アタタタタタタタタタタイタ!!とか?」

「何かおかしい」

「いや、案外いけると思う」

私を題材にして好き勝手話してる二人。
集中出来ない………

「なあ千歳、一度やってみてくれない?アタタタタタタタタタタイタ!!って」

「私のやっているのは合気道だし、その掛け声痛って言ってるし、絶対に恥ずかしくてやりたくないし………集中力が途切れるからどっか行って」

「何だ、お前はそんなことで集中力が切れるのか?」

「案外大した事無い」

「!?いいわ、分かったわよ!!好きなだけ喋ってればいいじゃない!!」

「なあ佐助、昨日親父が新しいエロ本を買ってきたんだけど………」

「今日は直ぐに遊びに行く!」

「やっぱりどっか行って………」






その後もあの二人は毎回私の所へやってきては2人で勝手に話してどこかへ行く。
何でそんな事してるのかはその時は分からず、最初こそ邪魔だと思ってたけど………



「なあ佐助」

「どうした?」

「俺さ、言おうと思うんだ」

「何を?」

「告白」

「ぶっ!?」

ドサ!!
私は驚いて転んでしまった。

「何してんだ、千歳………」

「それはこっちのセリフよ。そういうのはこういう場所じゃなくて隠れて相談するものでしょ!?」

「別に俺達以外だれもいないじゃん」

そう言われるとそうだ。
ここにいるのは私含めて3人。

「だけど私がいる前でそんな話する事じゃないでしょ………」

「何だ?恋バナは苦手なのか?」

「べ、別に私は………」

「苦手なら聞き流せばいい」

「違う場所で話すと言う選択肢は無いの!?」

この二人が何を考えてるのか全く分からない。
だけど決して悪くないとそう感じている自分がいた。

そしていつしか………

「遅かったじゃない」

「伸也がおしっこ漏らした」

「漏らしてねぇよ!?」

私がひたすら鍛練をしながら時々話に加わる。
二人はとにかくずっと話していた。

時々私をいじってたりしたけど………
だけどいつしか私の中で一番楽しい時間となっていた………



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