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ドリトル先生と幸せになる犬
第三幕その十

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「全部わかったよ」
「そうなの」
「そしてその真実を聞いて」
 そしてというのです。
「僕は君にはっきり言うよ」
「私は悪くないの」
「全くね」
 そうだというのです。
「一切ね」
「けれどどうして私はママとパパにいらないって言われたの?」
 ふわりは自分は悪くないと言ってくれる先生に聞きました。
「どうしてなの?」
「それは彼等がとても酷い人だからだよ」
「ママとパパが」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「彼等は君を家族と思っていなかったんだ」
「まさか」
「まさかだよ、一切ね」
 先生はふわりにはっきりと答えました。
「君を娘と言ったけれど」
「それで毎日可愛がってくれたわ」
「可愛いって言ってだね」
「とってもとっても。ケーキも買ってくれたし」
「それは遊んでいただけなんだ」
 先生は言いました。
「君を娘として愛していたんじゃなくて」
「どういうことなの?」
「君をおもちゃとしてね」
「おもちゃ?」
「そうだよ、君をおもちゃと思ってね」
 そうしてというのです。
「それでなんだ」
「遊んでいたの」
「それだけだよ、そして間違いなくね」
 先生は確信を持って言いました。
「赤ちゃんもね」
「おもちゃなの」
「君の前のママとパパにとってはね」
「まさか、そんな」
「君の代わりの新しいおもちゃが手に入ったから」
 驚くふわりに言うのでした。
「彼等は君を捨ててね」
「赤ちゃんで遊んでるの」
「新しいおもちゃでね」
「私はママとパパのおもちゃだったの」
「そうだよ、彼等にとって君はそうだったんだ」
「だから飽きて。けれど私おもちゃには飽きないで」
 ケージやお部屋の中にある自分のおもちゃ達を見てです、ふわりは先生に答えました。
「それでずっと大事にしてるけれど」
「そんな人もいるよ。古いおもちゃに飽きたらもう捨てるって人がね」
「そうなの」
「君の前のママとパパはそうした人で」
 そしてというのです。
「君に飽きたから捨てたんだ、けれど今のパパとママは」
「お兄ちゃんも」
「君を家族と思っているよ」
 おもちゃでなく、というのです。
「命のあるね」
「そうなの」
「だから彼等は君を捨てないよ」
「絶対になの」
「そう、君はもう本当の家族を手に入れたんだ」
 先生はふわりに微笑んで言いました。
「今ね」
「そうなのね」
「だから君は一生この家でね」
 ここでというのです。
「前のお家よりずっと楽しい幸せな日々を過ごせるよ」
「先生がそう言うなら」
「僕が嘘を吐いていないのはわかるかな」
「ええ、何か凄くね」
 ふわりは先生に答えました。
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