IS-H-02
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ぶすためにパソコンを立ち上げ作業に没頭していった。
あれから、数十分俺と束さんは俺の考えた作品に対してあーだこーだと意見を言い合っていたが、ふいに束さんが顔を上げた。
「そろそろ時間だね〜」
「なんの時間ですか?」
「見てればわかるよ〜」
そう言うと束さんはテレビを付け、チャンネルを操作して番組を探していく。
「あったあった、良いタイミングみたいだね」
「さて、いったい何が始まるのか…」
テレビの画面に映っていたのは多くのミサイルが発射された事、それが外部による何者かの手による事だと説明する人、それと――
――人が機械を身に纏い空を飛び、武器を持ち目標を破壊する。――
――この世界に存在しないはずの以前の世界の兵器に酷似した兵器――
そんなモノが存在していた。
俺の思考は一瞬でそれの事で埋め尽くされた。
なぜこんな物があるのか、なぜこんな物がミサイルを破壊しているのか、なぜなぜ、とそれの事しか考えられなかった。
その時、束さんの声が聞こえてきた。俺の思考は急速に引き戻され、今持っている疑問を全て束さんにぶつけた。
「あれは何ですか! なんであんな事をしているんですか! 何でそれを貴方が知っていたんですか! 何で―」
「ちょっといっくん落ち着きなよ、何があったのかは知らないけど何でそんなに興奮しているのさ?」
「そんな事はどうでもいいです。あれについて知っている事を全て話してください」
「わかったよ〜、あれはね――」
◇
俺は束さんから全てを聞いた。
それは以前から作られてあった事。
それはこれ以前にも世界に知られていた事。
それを作ったのが束さんであった事。
それは以前は世界に理解されていなかった事。
それを俺が以前にも知りえたかもしれなかった事。
それを世界から隠すのはすでに手遅れである事。
ISという名の兵器と中身という名の歯車が誕生したという事。
全てを聞き終えた俺は愕然となった。
これがこの世界に産み落とされ世界に浸透していく。そんな事がある可能性を微塵も考えなかった事に対して後悔の念しかなかった。
考えてみればありえない話ではなかったのだ。俺の目の前にいる天才はこの世界より何世代も前の情報を持つ俺の技術に拮抗し、時には追い越してもいたではないか。
「ハハッ」
これからどうするべきか。
にちじょうはもどらない。
せかいはあれていく。
ここもああなるのか。
「そうじゃない」
そうだ俺は今度は守るべきなのだ
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