IS-H-02
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また、逃げ出すつもりだったのかお前は!!」
箒は俺の首根っこをつかみずるずると、俺を引きずるように歩いていく。
「いや、もう逃げないから! 離して!」
「黙れ、今度という今度は許さん!! そのたるんだ根性一から叩きなおしてくれるわ!」
「だから、俺、今道具、何も持ってな…」
「道具なら道場に置いてある物を使えばいい!」
「ちょっと、離して、息が、苦しい。それに、置いてあるのは、俺には、合わないだろ」
「うるさい! そんなもの根性でどうにかしろ!! この手を離したらまた逃げるかもしれんから道場までこのままだ! それに、道具が合わないというのなら私の物を貸してやる」
「ええ!? それはそれでどうかと…」
箒よ、お前は自分の使っている道具を男に使わせても平気だというのか…。今からこんな状態で大丈夫なのかと、俺はお前の将来が心配になってくるよ…。
俺が内心、箒の将来と息が苦しくなって目がかすんできた事に思いをはせていると、道場に着いたらしく、箒も手を離してくれて息苦しさからも解放された。
「ごほっ、ごほっ…。おい箒、お前は人が息をせんと死ぬという事を知らんのか!」
「ふんっ、手を離したら逃げるかもしれんお前が悪い。ほら、道具は貸してやるからさっさと準備して来い」
「まったく…、こんな事ばかり続けるお前の将来が心配になるよ。いつか、気になる人でも出来た時にこんな調子でお前はどうするのかと…」
「安心しろ、こんな事をするのはお前に対してだけだ」
と、言い残して箒は着替えに向かった。何に対して安心しろと言っているのかが分からんが、なんで俺に対してだけだよ! と、是非とも突っ込みを入れてやりたい。
「まあ良いか。今日はとくに用事も無かったし」
俺も剣道の準備を行うために渡された道具を持って着替えに向かった。
◇
「つ、つかれた〜」
あれから数時間、みっちりと剣道の練習を付き合わされた俺は疲労困憊の為両手足を広げて道場に寝転がっていた。
「ふんっ、鍛錬が足りないからそうなるんだ。これに懲りたら毎日欠かさず鍛錬をすることだな」
それは確かに、あのときと比べると子供になっているために体力や筋力は比べ物にならないほどに落ち込んだが、これでも毎日あちこちを動き回ったりしているおかげで子供にしてはそれなりに体力は有る方なんだぞ? なのになぜ、俺が疲労困憊の状態なのにお前はその程度しか疲れが見えんのだ?
「そ、それで、だな…。一夏、私がお前を鍛えてやるからこれから毎日…」
「それは断固拒否する」
箒が俺を剣道という名を借りた地獄に叩き落とそうとする事にはきっぱ
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