第10話『聖骸物』
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うにない。
「まぁまぁ、ギバちゃんせんせーも草場も明日早いんだからそろそろ休みましょ?立石がシャワー作ったみたいなんで、ギバちゃんせんせー次どうぞ」
「ほらほら、行きますよ〜」
助かった。先に少し休むと言っていた輝橋が戻ってきたようだ。
製鉄師は交代で休みながら警戒を続けるらしい。まだ体力に余裕のある輝橋が軽く休んでから一番手になり、そこから数時間で交代していくつもりのようだ。
燕さんが休む時間になったようで、武蔵野に隣室へと連行される。
「草場は?休まんで良いのか?」
「……あぁ。もう少ししたらな」
輝橋の質問を適当に流しながら、燕のせいで中断していた考え事に戻る。つまり、なぜ玲人は聖骸物や冥質界情報体のことを知っていたかだ。
記憶を辿ってみても、これらについて調べたことも学んだこともないはずだ。にも関わらず、玲人の記憶には確かに残っていた。
その事実がどうにも不気味で、玲人の中に漠然と影を落としていた。
「……なに考えてんのかは知らんけどさ、わからんことにいつまでも悩んでても仕方ないぞ」
「……そうか」
「俺もお前も、どっちかというと動いて考える方だろ?今答えが出ないなら明日考えようぜ。で、今は休め。俺らと違って未契約のお前は体力的にもキツいだろ」
「……そうか」
なんとも楽観的な輝橋の言葉に緊張が解れる。なんの解決にもなっていないが、たしかに輝橋の言うことにも一理ある。
とりあえず、今は休もう。明日は忙しくなるぞ。
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