暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第93話:剣を手折る槍
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ー!〉

 待ちに待った瞬間に、颯人はメデューサの事を後回しにして響と未来の安全確保の為に動いた。スペシャルの魔法で背中に翼を生やし、それを使って飛翔し空中で気を失った2人をキャッチする。

 抱き合って気を失っている響と未来だが、共に呼吸をしておりその顔は穏やかであった。2人の顔を見て、颯人も安堵の溜め息を吐く。

「ふぅ〜……何とか上手く行ってくれたな。おっちゃん! 作戦成功だ。今から響ちゃんと未来ちゃんを連れてそっちに戻るぜ」
『了解だ! 気を付けてな!』

 颯人は一路仮設本部の潜水艦に向けて飛翔する。

 せり上がるフロンティアを背にしながら――――――




***





「フロンティア?」
「それがF.I.S.が探していた物だと言うのか?」

 グレムリンとメデューサのやり取りに首を傾げ思案する3人の前で、2人の魔法使いは3人に背を向けた。

「それじゃ、帰ろっか」
「命拾いしたなお前ら。だがこの次はこうは行かない。特に裏切り者、お前は首を洗って待っていろ」

 グレムリンとメデューサはその場から撤退していった。

 強敵2人が引き下がった事に、3人が一先ず安堵の溜め息を吐いていると通信で響と未来を収容した事が知らされた。

「立花と小日向が? 無事なのですか!」
『現在医務室で傷の手当と検査を受けていますが、2人とも命に別状は無さそうです』
「良かった……あいつら、無事なんだな――!」

 響と未来に大事が無い事が分かり、3人は肩から荷が下りるような思いだった。まだ騒動は完全に終わっていないが、やはり仲間の無事には安堵せずにはいられない。

『一度戻って来い。翼、ついでだから奏も呼んでくれ。反応はあるが先程からこちらからの通信に応答してくれないんだ。恐らく通信機に何かトラブルがあったのかもしれない』
「分かりました」

 弦十郎の指示に、翼はボロボロの軍艦の上を移動して奏の元へと向かう。

 翼が辿り着いた先で、奏は無数のメイジや塵と化したノイズの中で佇んでいた。

「奏! 良かった、通信に出ないって言うから心配してたわ! 司令から一時後退の指示が出たから、奏も――――」

 話し掛けながら近付いてくる翼を、奏が振り返った。
 この時翼が油断しなければ、奏の異変に気付けていたかもしれない。

 次の瞬間、奏のアームドギアが近付いてくる翼のシンフォギアを切り裂いた。

「――――え?」

 何が起こったか分からず、呆けた声を上げる翼。奏は今し方自分が切り裂いた翼に背を向けると、何処かへと向けて去って行く。

 翼は訳も分からぬまま、襲ってくる痛みにその場に崩れ落ち意識を手放すのだった。
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